淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

専門職ってそんなもの?

 昨日、自宅に業者が訪れて浴室のスイッチ交換の工事を試みたが、失敗に終わった。新しいスイッチに取り替えるどころか、工事中に配線をショートさせてしまい、浴室を換気する機械を壊してしまったのだ。

 電気についてはほとんど知識がない自分だが、業者が作業を始める時に、ある言葉をかけた。ブレーカーを落としますか、と。ショートの危険性以上に、作業者の安全性に気をつかったのだ。
 30代前半くらいに見えた作業者は、簡単な工事だから大丈夫だとはっきり答えた。全く電気知識のない自分が彼の作業を横で見ていたら気が散るだろうと、あえて別室で他のことをしていた。

 しばらくすると大きな音が室内に響き渡った。家を新築してから、数度しか聞いたことがない音が。
 業者が作業中に配線をショートさせたので、ブレーカーが上がったのだ。結果的に、自分が考えていた良くない想像が当たった。

 自分が浴室に向かうと、自分より歳下の彼が焦っているのがわかった。現場の様子と彼の確認を取ってからブレーカーを上げようとすると、自分の代わりに彼自身がブレーカーを触った。
 大丈夫ですか、と声をかけると彼は大丈夫だと答えた。心配になっていたが、一応は彼が専門職なことを信じて別室で待っていると彼に呼ばれたので、再度浴室に向かった。

 すると彼はとんでもないことを言い出した。浴室の換気扇は元々動いていたか、と。自分は呆れながらも動いていたことと、そのために入浴中も寒い思いをしているので、換気を停めるスイッチ工事を依頼したことを説明した。苛立っていたが、自分なりに感情は抑えていたと思う。
 自分の言葉に対して彼は引き下がり、作業を続けた。浴室付近の天井にある配線の確認の許可を自分に求めて。もちろん、彼に対して嫌とは言わなかった。

 その後1時間くらい彼は作業をしていたと思う。だが、結局このまま作業しても元には戻らないこと、今の状況をより詳しい人間と相談して日を改めたいことを、彼は自分に告げた。換気をする機械が壊れてしまったことが主な理由らしい。
 怒っても壊れたものは仕方がない。形あるものはいつか壊れる、と幼少時代から母親によく聞かされて育ったせいかもしれない。
 ただ、ひとつのことだけは確認した。今回のトラブルで壊れたと思う部分については、こちらの瑕疵ではないことを。彼は暗い表情をしながらも、自分の主張については逆らわなかった。

 夕方、現場のオフィスでシステムエンジニアとしての作業をしていると、スマホに着信があった。折り返すと、浴室の配線をショートさせた彼だった。
 壊してしまった機械の製造メーカーの人間と一緒に彼は、自宅を再度訪れたいと話した。もちろん、こちらとしては断る必要性はない。

 昨日、自宅の浴室配線の工事で起きたことを振り返ると、どうしても業者に対しての不信感が拭えない。電気の素人である自分からみても。
 自分の本業はシステムエンジニアなので、一応専門職。見る人が見たら、自分の仕事ぶりも人に多々な不安を与えているのかもしれない。

ピンハネしているのなら

 朝から昼過ぎまで在宅していた。自宅のちょっとした電気工事を業者に対応してもらう際の付き添いのために。室内工事なので、誰かが在宅する必要性があるからだ。独り住まいの自分にとっては、頼める人もいない。
 昨年末に業者に見積もりをお願いしたのだが、必用な部品が在庫にないために、年越しになったのだ。
 工事が必用な部分は浴室の配線。普段、浴室は自動換気になっているのだが、今の時期のように寒さが厳しいときなどはタイマースイッチで一定時間、換気を停めることが出来る仕組みになっていた。そのスイッチが故障してしまったのだ。

 スイッチが故障してから、入浴中に寒さを時折感じる。特に夜間や早朝の入浴中には。入浴ならばまだ我慢できるが、そんな状態でシャワーだけで済ますのは我慢大会に出場するようなものだ。当然、1日でも早く修理したいと思っていた。
 昨日、業者からの連絡で修理に必用な部品が揃ったことがわかったので、最短でいつ対応してくれるのかを確かめた。先方は今日対応できると答えてくれたので、お願いすることにした。11時くらいから作業ができる見通しであることも聞いていた。

 自分は今、本業のシステムエンジニアとしては地元の大手電力会社のプロジェクトに参加している。中間に、地元の大手私鉄連結子会社であるシステム会社を挟んで。
 自分が所属しているような中小零細のソフト会社、システム会社と呼ばれるような組織に所属している社員の多くは、二次受け三次受けとして大手の会社先で働くことがほとんどだ。
 そのことに対して不満や不信感を積み重ねて耐えられなくなり、自分と同じ業界から去って行ったエンジニアを何人も知っている。

 昨夜、業者とのやり取りが終わるとすぐに、自分の会社から見たお客の会社に電話した。日本で3番目になる私鉄子会社のリーダーに。事情を話して今日の出勤が遅れることの了承を得たのだ。
 ガラッパチで仮面社畜の自分でも、それくらいはする。一応、社会人の端くれだから。

 朝9時過ぎに業者から電話があった。11時30分にお邪魔すると。
 今日は朝からいい天気。洗濯などをしながら業者を待っていたが、時間を過ぎても来なかった。代わりに、オフィスで自席の右に座るリーダーからメールがあった、13時までに来られそうか、と。まだ業者が来ていないので、難しいことを伝えると、すぐに返信があった。彼の会社から見たお客様、大手電力会社の担当者がヤキモキしていると。
 メールでは埒が明かないと思って、こちらから電話をかけた。自社から電話や電話代の手当は出ていないので、通話代金は自分の持ち出しになる。

 大手電力会社の担当者が気にしている内容をひとつずつ聞くと、たいした内容のものはなかった。というか、間に入っている会社のリーダー共々、普段から自分の仕事のことを把握していれば、全く不要の電話だった。
 自社からそれなりの金額をピンハネしていることは、IT業界のビジネスモデルのひとつであるから、そのこと自体は否定しない。例え偽装請負に当たったとしても。
 中抜きしているのならばそれ相当の仕事、それなりのマネージメントをして欲しいと考えているだけだ。

鮮やかなカラス

 昨日は、いろいろな職場で定時退社日になっていることが多い水曜日。昨夜はプロパー社員だけの新年会を催すので、なるべく早く帰って欲しいと、急遽言われた。
 そんな勝手なと、思いながらも久しぶりに誘いたい相手が浮かんだ。
 それは、今の会社で一緒に働いていた元同僚だ。しかも、その同僚とは今と同じ地元の電力会社のプロジェクトで一緒だった。

 急な誘いにも元同僚は応じてくれたので、名古屋で一番の繫華街の錦三に2人で繰り出した。
 相手は年忘れのために自分と師走の夜、一緒に呑みたかったようだが、タイミングが合わなかったので結局年明けの昨日に持ち越されてしまった。
 他にも年内にグラスを交わせなかったので、年明け早々に新年会と称して呑みたい友人が何人かいる。

 同僚は一昨昨日と一昨日の仕事を休んだほど、体調が悪かったので一次会で解散した。その後迷うことなく、次の行動に移った。
 繫華街で寒さに縮こまって動かないタクシーに乗り込んだ。1人で呑むために次の店へ。一応、口実もあった。
 今週末、写真ばかりでなく動画も撮影することが趣味な友人に、自分にとって大事な写真を撮影してもらうことを依頼していたからだ。その写真は遺影の候補ではない。
 自分が所属する同人誌の賞を受賞することになったことは何度か書いてきたが、そのことが同人誌で発表される際に自分の写真までが掲載されるので、その写真だ。

 刊行物に自分の写真が載ることはうれしくないが、開きなおることにした。どうせなら、自分の好きなシチュエーションで撮った写真から選ぼうと。
 白黒でそれほど大きなサイズではないので、同人誌に印刷されたところで、誰からもさほど興味はもたれないだろう。だったら、自分だけの思い出になればいいと。

 その写真の撮影場所は、受賞作の中で舞台とさせてもらったモデルの場所。自分が度々呑みに行くガールズバーだ。
 その場所で写真を撮ってもらいたいと考えても、先方の許可は当然必用だと考えたからだ。その了承をもらいに行くことにした。

 自分が店の扉を開けると、店内は静かだった。客も少なかったが、女性のスタッフもここ最近では少なかった方だった。
 落ちついた雰囲気の中、一番年長の女性とボーイに自分の我が儘な希望を話すと、2人はあっさりと了承してくれた。
 そのあとはくつろいでお酒を呑み、気がつくと日付は今日になっていた。
 帰宅はタクシーで自宅まで。最寄り駅の駐輪場に自転車を置きっぱなしにして。

 おかげで、今朝は駅まで走った。微かにアルコールが残っている身体で、曇っている冬空と冷え込んでいるアスファルトの間を。
 通勤電車を降りて、現場オフィスに向かう途中の歩道橋で真横を見ると、街路樹にカラスが留まっていた。樹にしぶとく残っていた木の実をつついていたカラス。バランスを崩す度に、翼を広げた。灰色の朝の街をバックに翼を広げたカラスの黒が鮮やかに映えた。
 灰色と黒のコントラスト、カラスのどちらにも今まで少しも心が動いたことがなかったのに。どうしてだろう?

字数制限

 ここのところ毎日、推敲している文章がある。その文章とは自分が所属している同人誌で賞を頂くことになったので、その受賞の言葉だ。
 同人誌の次号で自分の受賞が発表される際に、自分のその文章と写真も掲載されるので、締め切りが決められている。今月末までと。

 その文章には文字制限がある。26字×20行なので520字以内。書き出してみると、この文字制限が意外と窮屈なのだ。
 文章全体の初めか終わりに、関係者への謝辞などの言葉を入れるので、自分が伝えたいことを書くために使える文字数はさらに減る。それでも、前回の受賞者よりも謝辞的な文章はコンパクトにしたが。

 自分がどうしても書いておきたかったことは、一度筆を置いた理由と再び筆を執ろうとしたきっかけだ。どちらもいくつかの理由があるが、まずは前者の理由から。
 人とのコミュニケーションに絶望したからだ。きっかけは結婚したこと。妻及びその親族とお互いの価値観をわかりあえなかったことだ。

 若いころ友人が酔って怒ったときに言い放った言葉がしだいに自分の中で重みを増してきた。その言葉とは、『俺には俺のやり方がある』。要は私ファースト、俺様ファーストということだ。
 人とのコミュニケーションに徒労感を覚えるたびに、いつの間にかその言葉を思い出すようになった。
 福田康夫元総理がかつて口にした次の言葉ともニュアンスが近いと思う、『私はあなたとは違うんです』。
 自分の中では次のような評価だ、友人の酔った時の言葉≒元首相が辞任表明の際に口にした迷言。

 大事にしたかったことは後者の理由だ。
 それは、ある著名人のtweetが心に刺さったことだった。そのtweetを以下に紹介する。


 まさかの紗倉まなtweetだ。このtweetを知ったきっかけは、自分が好きな劇作家であり、演出家でもある鴻上尚史リツイートしたことだ。
 紗倉まなのことは明石家さんまが好きだと公言したころから、知っていたが特別ファンではない。元々ショートヘアがそれほど好きではないせいもあり、見た目がドストライクでもない。
 彼女が出演しているAVを見たことがないなんて、格好つけたことは言わないが、正直それほど興奮もしなかった。

 だが、このtweetには何かをかき立てられた。特に冒頭の次の部分。
『私は自分に諦めてる。相手に期待することも諦めてる。だから、いろんなことをやってみたいと思える。だから、いろんなことをやらないといけないって思える。』
 今、こうして文章を書き続けるようになったのは、一度自分で切ってしまったスイッチを彼女が入れてくれたからなのかもしれない。カチリ、と。

 だから、字数が制限された中でも彼女のこの言葉の意図を何とか取り入れたいと日々もがいている。

男女平等

 今朝も冷え込んでいた。自宅から自転車に跨がり、ペダルを漕ぎながら空を見上げると真っ青な空。風もなく絶好のスキー、スノーボード日和。
 無性にスノーボードがしたくなってきたので、心の中で呟いた。したい、したい……、と。口に出ていたら間違いなくアウトな人だろう。

 冬の朝のいいところは、通勤途中に自転車で暴走しても、駅のホームを全力で走っても汗を欠きにくいこと。夏よりも冬の方が、通勤時間が短くなっている気がする。
 それは自分だけでもないようで、駅の構内やホームを急いでいる人を冬の方が良く見かける。寒くて布団から出るのが億劫なこともあるのかもしれないが。

 今朝、駅の改札を通ると自分の前を走っている2人の女性を見かけた。彼女たちにつられて自分も走り出して、2人を抜いてしまったが、再度2人に追いつかれてしまった。
 毎朝利用している自宅からの最寄り駅は、高架駅にするための工事中。そのせいで、改札からホームまでも遠くなっているし、駅構内の中でも不自然な場所に二カ所も遮断機がある。走っていた自分はその遮断機に遮られてしまったのだ。

 遮断機の向こうに自分が乗りたい電車が滑り込んできた。その瞬間、どんなにダッシュをしても見えている電車に乗れないことは経験上、わかっていたので諦めた。今まで何度も挑戦したが、電車が自分を待ってくれたことはなかったからだ。無情にも。
 だが、自分に追いついた2人の女性は違った。警報器の音が鳴り止み、遮断機が上がるやいなや走りだした。ひょっとしてという気持ちと、無理だろうという気持ちが入り交じったまま2人を見ていた。
 自分が通勤に使っている電車の車掌のほとんどは男性なので、自分のように女性に甘い男であればひょっとしたらひょっとするかもしれないと、考えていた。

 彼女たちがホームの乗り場に着いたときは、まだ電車は動いていなかった。扉は閉まった後だったが。
 電車が動き出すのか、扉が開くのかを固唾を呑んで自分は見守っていた。
 扉は開かずに、ゆっくりと電車は動き出した。彼女たちが立ちつくしている後ろを自分は通り過ぎた。

 彼女たちはその電車に乗れないと遅刻になるのだろうか。自分は次の電車でもなんとか間に合うが、できればその電車に乗りたかった。オフィスに余裕を持って着くといった優等生のような思想ではない。その電車の方が自分の乗る駅から近い駅が始発なので、後の電車よりも多少は空いているからだ。

 終着駅で降りて地下のホームから地上に出ると、ビルの谷間から見えた空には、何故か薄雲が広がっていた。それでも、仕事に行くよりはゲレンデに行きたい気持ちは収まらなかった。
 こんなにスノーボードがしたくなるなんて、初めてのことだ。