淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

桂川にも木曽川にも捨てられなかったもの

 世の中には様々なものに相性がある。人はもちろんのこと、食べものや国や地域、人が集まって織りなす企業などにも、感じることがある。それらに対して、良く感じたり悪く感じたり。
 だが、皮肉なもので人間の記憶というのはネガティブに捉えたものの方が、強く印象に残るらしい。

 先週の週末に引き続き、今日は大阪まで出かけた。パレット撮影会に参加して加藤凪海さんを撮影するために。
 撮影会に参加して彼女を撮影するのは、今日で4回目。自分の中では一番、シャッターを切っているモデルさんだ。
 他人から言われなくても、彼女の魅力にはまっていることを自分でも認めざるを得ない。

f:id:mobemobe617:20190914230123j:plain
最初に参加した第二部の撮影場所は中之島公園付近。
 自分がこれほどまでに彼女に対してシャッターを切っている理由を考えて、気がついたことがある。彼女の魅力を全然撮り切れていないことだ。
 モデルを務めてくれている彼女に対して、ある意味では失礼だとは思うのだが仕方がない。彼女が魅力的な女性だと感じてしまうので、自分が彼女に対して照れてしまうからだ。
f:id:mobemobe617:20190914225641j:plainf:id:mobemobe617:20190914225627j:plain
二部に続いて参加した三部は、阿倍野長屋での撮影。
 アラフィフ近いオッサンが、二十歳くらいの女性に対して、特別な感情を抱いていることを他人からは気持ち悪がられるかもしれないが、事実なのだから仕方がない。格好つけたり、言い訳するつもりもない。
 そんな思いと良いポートレート作品を撮りたいという欲求を今日も自分の中で数時間、戦わせた。

 今日のために、数日前から考えていたことがあった。大阪に向かう新幹線でいくつかの橋を渡る毎に、自分の中にいくつも潜んでいる照れなどの感情を捨てていくべきだと。
 だが、撮影会の会場で彼女に再会してすぐに、気がついてしまった。木曽川でも桂川でも、自分は何も捨てることができなかったことを。
 今日もいつものように、自分らしくない無口なカメラマンの1人として、黙々と彼女を撮影してしまった。
 知人や友人がそんな自分を見たら、違和感しか覚えないだろう。プライベートでは常にうるさいくらいに口数が多いから。

 好意を持っている異性に対して、全て口数が少なくなるわけではない気がする。今までの自分の半生を振り返っても。ある意味において単なる相性のような気もする。
 これまでの数ヶ月、自分がポートレートを撮影させてもらったモデルさんの中でも自分の好みとは別に、話し易かった人、ほとんど会話をしなかった人がいるからだ。

 何回、彼女に会ったら素の自分で振る舞えるのだろう? もし、そうなった時に、どんな写真を撮っているのかが興味がある。
 仮想未来の自分を描けることは、幸せなことなのだろう、きっと。

f:id:mobemobe617:20190914084008j:plain
今日の写真のモデルは加藤凪海さん。でも、今日撮影した写真ではありません、悪しからず。さくらフォト撮影会にて撮影。

9月13日の金曜日

 今日は13日。しかも金曜日だった。朝から予感はしていたが、現場に着くなり嫌なことが起きた。
 朝一のコーヒーを飲もうと給茶機のボタンを押してボーっとしていたら、コーヒーではなくて薄く茶色に濁ったものがカップに入っていた。

 カップを給湯室まで洗いに行くと、他のオフィスで働いている女性が水仕事をしていた。素敵な人だったので思わずことの次第を話したら、笑い返してくれた。
 彼女は今日が13日であることをすっかり忘れていたようだ。

 素敵な女性とおしゃべりできたので、気を取り直して執務室に戻って同じ機械の同じボタンを押した。
 すると今度はカップに何も注がれることもなく、給茶機にランプが灯った。
 調べると断水を警告する表示だったので、リセットボタンを押してから、再度同じボタンを押したがやはりカップには何も注がれなかった。

 仕方がないので、自チームの若い男性プロパー社員に相談すると、すぐに席を立って対応してくれた。彼の見立てで給茶機の掃除当番が、掃除と給水をした後に部品のセットを間違えていたことがわかった。
 朝、一杯のコーヒーを飲むためだけに30分以上もかかってしまった。

 後ほど給茶機のセットを間違えた人物がわかったが、自分よりも年配の男性エンジニアだったのだ。自分よりも長くエンジニアとして仕事をしているくせに、メカニカルな物の扱いに疎いことにはびっくりした。

f:id:mobemobe617:20190913184944j:plain
今日もスマホで写真を撮ったけれど、一眼レフトも違う難しさがある。
 昨日は残業で遅くなったが、今日はなんとか定時でオフィスを出ることができたが、帰宅するとまた不吉なことが待っていた。
 それは会社からの封筒だ。封筒の大きさと厚さから、まだ届いていない健康保険証でないことはすぐにわかった。どうせ、厄介ごとだろうと思って封を開けると、自分の期待は裏切られなかった。

 休みの日に催される研修の案内で、自分への出席が促されていた。入社してまだ2週間も経っていないのに、会社から休日の所用を要求されたのは二度目。このペースでいくと毎週末、会社からなんらかの用事を命じられることになる。
 休みの日にこんなに会社から多々な指示があるとは、入社前には聞いていなかった。今日、13日金曜日に起こった一番アンラッキーな出来事だった。

 ところで今日のタイトルに9月をつけたのには意味がある。亡くなった父の誕生日だったからだ。
 父は生前、自分の誕生日が金曜日の年には自虐的に、かつ、笑いながら家族に話していた。
 もし、今も父が生きていたら今日、76歳になったはずだ。死者は年を取らないけれど……。

f:id:mobemobe617:20190913204719j:plain
今日の写真のモデルはMumeiさん。

忖度するのは当たり前

 自動車に関わるシステムの仕事に関わって10日が過ぎた。車の部品に関わるシステムなので、BODYと言う単語を聞いてもまだまだ、カメラのことを連想してしまう今日このごろ。
 好きなことから遠のいてしまうと、そのことに対しての思いはどうしても募ってしまう。
 通勤電車から降りて現場近くのプロムナードを歩いていたら、空が気になったのでスマホのカメラで次のような写真を撮ってしまったほどだ。

f:id:mobemobe617:20190912203029j:plain
限られた環境で楽しむためには、スマホでも写真を撮るしかない。
 一昨日から仕事で同じグループ内の外注3人だけで、ある仕事に専念しているが、その作業では自分の左隣の男性エンジニアが主担当者となっている。
 ひょんなことから、今週になってから彼と毎日ランチを一緒にしている。仕事で知りあった人間と食事を一緒に食べるなんて、最近の自分にとってはなかったことだ。
 そんなに気が合う訳ではないが、こちらからあえて断るのも不自然な感じがするので、自然な成り行きに身を任せている。

 あと数年で還暦の彼と食事をするときの会話のほとんどは、職場の人間のこと。
 彼は自分の右隣に座っている現場のリーダーから寵愛を受けているし、その思いをうすうす感じてもいる。
 そのせいか、リーダーのことを話題にすることが自然に多くなっている。ちなみにリーダーは自分と年齢が近い女性だ。

 今日のお昼も最初はリーダーである彼女の話題から始まった。
 お昼休みになる寸前、彼女が自分越しに彼に話しかけたからだ。可能であれば明日の会議に出席して欲しいと。可能であればというのは、彼が家庭の事情で早退することを皆に伝えていたからだ。

 横で聞いていて、彼女からかなり愛されているとは思ったけれど、彼にだってその愛を拒絶する権利くらいはあるはずだ。拒絶の方法によっては、彼が仕事をし難くなる環境になる可能性は否定できないが。
 女性はいつだって、我儘なもの。仕方がないかもしれないが、リーダーである彼女自身は明日、有給休暇を取ることを彼も自分も知っていた。
 権力を持つ人間が従っている人々を迫害するのは古今東西、ありきたりの物語なのだろう。

 昼食時、彼は一通り彼女に対する思いのたけを自分にぶちまけたあと、話題を違う人物に変えた。その人物とは自分と同じ日に現場に着任し、彼と自分との3人で一緒に仕事をしているエンジニアだ。25歳男性で長野県出身である若人について語りだした。

 老練なエンジニアである彼は、信州で育ったエンジニアが若いのに、いろいろと忖度することが気に要らないらしい。なんとなく同意を求められていた気がしたが、その流れには汲みしなかった。そればかりか、自分の意見を彼に告げた。
 今、若いエンジニアがIT土方として働くならば、忖度して働くのは当たり前ではないかと。伝えたいことはいろいろあったが、彼にはほとんど伝わっていない気がしたが、仕方がない。
 人と人が誰とでもわかりあえるような世の中ではないからだ。皆が望むか望まないかはいざ知らず……。

f:id:mobemobe617:20190907080122j:plain
今日の写真のモデルはまやさん。

意味のあるオリジナリティ

 今週の日曜日、万博記念公園でのヨドバシカメラ撮影会に参加していた時に気になったことがあった。講師として出席していた写真家さんの指示が、それぞれ違った点だ。もっと言うと、真逆の内容もいくつかあった。
 わかりやすい例だと、モデルにシャッターを切るのに連写をするか否かだ。そのことについては、今まで自分が接した写真家たちの意見はバラバラだった。

 ポートレートを撮りはじめたころの自分は連射派ではなかったが、あるカメラマンからポートレートの撮り方を教わったことをきっかけに、連写派に変わった。
 理由もある。なるべくシャッターを切るタイミングを詰めた方が、モデルの存在を肯定するだけでなく、テンションも上げることができるから、と教わったからだ。モデルに対してかける言葉が見つからないときは、シャッター音でコミュニケーションを取ればいいとも言われた。

 だが、ストロボの使い方を習った時に講師を務めてくれた写真家にシャッターを連写にすべきかを尋ねると、否と言われたのだ。モデルがポージングを決めた瞬間にシャッターを切るべきだと。
 子供であれば先生、働きはじめたばかりの社会人であれば職場の先輩や上司から、それぞれ真逆のことを言われたら混乱する可能性は高いだろう。
 クリエイティブなことなので、理論的に答えを見いだすのは難しいこととはいえ、自分を高めたいと思って専門家の言葉に耳を傾けているうちに混乱するだけで終わったら、ちょっとした悲しい喜劇だ。

 また、日曜日にはモデルに対してのポージングの要求も写真家毎に考えが違った。
 ある講師はモデルに撮らされていては駄目だから、自分のアイデアがあるのならモデルに要求することを助言してくれた。
 別のモデルに自分が動きを要求していたら、別の写真家が不自然な動きだから言われて、却下されてしまった。モデルに悪いことをしたと思ったが、それ以上に写真家に対して舌打ちをしたくなった。自分の中で正解がまたまた遠のいた気がした。

 だが、少し考えてみたらクリエイティブな物事には絶対とか、鉄板とかいうものはほとんどないという結論に至った。
 それ以上に、作品の送り手のオリジナリティが大事だと思えてきた。ただ、今の自分にはその大事なオリジナリティがないことが問題なのだろう。

 そのことが原因で、タイプの違う専門家に会う毎に自分のスタイルが翻弄されているのが、現在の自分。
 もちろん、拙いオリジナリティを築きあげてしまい、それに縛られてしまうよりはマシな気がするが。
 どうしたら、高位なオリジナリティを持つことができるのだろうか。そのことに対して考えながら、ただただシャッターを切り続ける以外の方法しか、今の自分には思いつかない。たとえ、効率が悪いとしても。

f:id:mobemobe617:20190911005509j:plain
今日の写真はナゴヤオートフェスティバルで見つけたセクシーなお姉さん。名前知っている人います? いたら教えて下さい。

鹿を馬と言う、言ってやる

 システムエンジニアとして現場に復帰して1週間が過ぎた。というか、今の現場で働くことを決めたときに、エンジニアとしてのプライドを捨てたつもりでいたので、自分をエンジニアとして称するのはおかしい気もするが。

 欲しい物を手に入れるために働くことを、人生で初めて決めたから。まわりが物の道理を知らない連中ばかりになることも覚悟していたからだ。
 今の現場に復帰した初日、自分を驚かすような再会があった。自チームでオリエンテーションを受けているときだった。オリエンテーション中の資料に見たくない名前を見つけてしまった。しかも、プロジェクトのマネージメントの職で。

 その名前は○崎。システムエンジニアとして多数の現場を経験してきたが、その中でも断トツで一番嫌な思いをしたプロジェクトがあった。TOYOTAのディーラーや営業マンを支援するための新しい販売管理システムを立ち上げるためのプロジェクトだったが、そのプロジェクトに関わった何人もが、人生の進路を変えることを余儀なくされた。
 自分の同僚もある日突然に出社しなくなった。自分もこのプロジェクトに関わったことで、エンジニアとして現場常駐で働くスタイルから足を洗うことを一時は決意させ、社内SEとして働くことを選択させたのだった。

 そんな忌まわしい記憶とともに、○崎の名前を忘れることは決してできなかった。
 それでも、名前を見ただけなので自分と仕事上の接点があるかもわからない。冷静になるように自分に言い聞かせたが、それもすぐに無駄なことになった。
 自チームのリーダーが自分を○崎に引き合わせて挨拶させたからだ。久しぶりに会った彼はサーファーのように陽に焼けて、耳にピアスをしていた。いい歳をして、見るからにチャラそうだった。
 驚くことに彼は、自分のことをしっかりと覚えていた。よく、被害者が加害者のことを決して忘れないというけれど、自分にとって加害者であるはずの彼は何故、自分のことを覚えていたのだろう?

 ○崎と再会した初日、帰宅してすぐに行ったことがある。○崎のせいで、かつて一緒に泥水を飲んだメンバーたちにメールを送ったのだ。散々煮え湯を飲まされた男と自分が再会したことを。
 すると、そのうちの2人からすぐに返信が来た。彼らにとっても、決して忘れることができなかったのだろう。

f:id:mobemobe617:20190909214140p:plainf:id:mobemobe617:20190909214145p:plain
同じ釜の飯を食べたメンバーからメール、一人目。
f:id:mobemobe617:20190909214129p:plainf:id:mobemobe617:20190909214134p:plain
二人目のメール。
 ただ、そのメールのやりとりをした後に、自分は考えた。まわりから落ち着いた、大人になったと言われるようになった自分が、試されているのではないだろうかと。
 自分の欲しい物のために割り切って、鹿を馬と言うくらいは仕方が無いとも思っている。

 昨日、自分の左隣に座っている男性エンジニアが散々ぼやいていた。そんな方法では仕事はできないと。
 彼と一緒にある仕事をすることになっているので、彼の気持ちは痛いほどわかったが、あえて自分は言った。TOYOTAのプロジェクトだから仕方がないと。
 彼はすぐに答えた。以前、経験したプロジェクトは違ったと。その言葉に、自分は何も答えなかった。
 今、目の前にない理想を口にしても、何も始まらないからだ。少なくともTOYOTA関係の仕事に関わっているかぎりは。

f:id:mobemobe617:20190909214243j:plain
今日の写真のモデルはキムハルさん。