淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

現地でしか得られないこともある

 仕事帰りに台湾式足裏マッサージに行ってきた。最近、ストレスが多くて昨日も寝むりが浅かったからだ。
 台湾式足裏マッサージは定期的に行っている。疲れがたまると体が欲してくるし、フローリングを裸足で歩くときの感触でそろそろ施術を受けたほうがいい時期だと感じるからだ。疲れがたまっているときでも施術を受けた日は、眠りが深くなることが多くて助かっている。
 足裏マッサージを受けるようになったきっかけは、今から10年以上前に、妻と義理の両親との旅行がきっかけだ。海外旅行をしたことがない義理の父に旅のプレゼントすることにしたのだ。妻が父に行きたい場所を尋ねると「ニューヨーク」という答えが返ってきたが、予算がないので台湾になったのだ。
 2泊3日の旅程で最初の晩にホテルの紹介で足裏マッサージに行くことになった。日本の芸能人の写真つきのいかにも軽薄な感じのパンフレットで紹介を受けたが全員が気に入ったために翌日の晩も出かけたのだった。
 それから何年かして、チェーン店の台湾式の足裏マッサージが帰宅するために乗り換える駅近くに出店したので試してみた。
 スタッフは全員日本人。ネイティブな人は店内に見かけなかったのであまり期待していなかったが、施術後の感想は現地と遜色を感じなかった。
 むしろ日本人向けに改良されている感じがしてすっかりはまってしまったのだ。
 台湾旅行中にガイドに紹介されて鼎泰豐に点心を食べに行った。何店かは忘れてしまったが、特に高級感を感じるような店構えではなかったが、何を食べても美味しかったが特に小龍包には感動した。
 翌日、ガイドにお礼を言うと冗談まじりに日本にも、しかも名古屋にも鼎泰豐が出店していることを知らされて落胆してしまった。
 非常に美味しかったという事実ではあるが、なんとも複雑な旅の思い出が残ってしまった。
 昨年末に、実弟が母親を鼎泰豐に連れて行くのでついでに誘われた。今日はおごるからとか予約するのが大変だったとか弟は少し恩着せがましかった。
 当日店に着くと平日でしかも早い時間だったせいか、予約しなくても座れるくらいだった。
 メニュー見ると現地よりは全体的に少しだけ価格は高そうだった。小龍包が出てくる簡単なコースメニューを皆で頼んだ。
 ビールを飲みながら小龍包の前に出てきた料理は特別関心をもてるものではなかったが、それでも小龍包には期待を持っていた。
 店員がせいろに入った小龍包を持ってきた。せいろのふたを開けてレンゲを使い、やけどしないように気をつかいながら食べてみた。熱い。だが、台湾で食べたものと何かが決定的に違っている。思い出は美化されるからだろうか。
 母と弟の表情を見ても特別な感情は感じられないように見えた。コースが終わった後に弟が何か追加するかを母と僕に尋ねたが二人ともやんわりと断った。
 僕たちが店をでると何組どころが10組以上の客が待っている。僕はますます混乱した。
 帰りの電車の中で弟に礼を言いながらも、台湾の店と味が違い過ぎていると正直に話した。母も弟も正直、味に関心してなかったようで少しほっとした。
 その後しばらくの間、台湾と名古屋の店の味の違いの理由をよく考えていた。ホールだけでなく調理場のスタッフもネイティブな人に見えたから、料理人の腕の差よりは材料に問題があるのか、それともやはり料理人の腕の差なのか。
 数日後、その疑問が自分の中で解けた。あるグルメ漫画のストーリを思いだしたからだ。ある回でデパートのオーナーが自分の新しいデパート内のテナントに有名店の出店をさせたあらすじを。
 それにしても僕らが店をでた後の行列の光景を思い出すと不思議な感じがする。初めての来店客なのか、名古屋だけのリピーターなのか、それとも台湾の思い出を求めているのか、それとも………。