午前中からの用事が終わり、外出先から帰宅してテレビの電源を入れた。
ケーブルテレビで広島対中日戦の観戦をはじめた。今シーズンのドラゴンズは下馬評通り、今日の試合開始現在のセリーグ順位は最下位。
それでもマスヲはドラゴンズファンなので、ブラウン管越しながらも応援しながら観戦をはじめた。
観戦を初めてしばらくすると、なんと中日が4点を先制する展開。昨シーズンはリーグ優勝し、今シーズンも首位の広島に勝てるかもしれないと思っていると、今年は先発に転向して調子のいい又吉がその裏にすぐに追いつかれてしまった。
その後も点を取ったり取られたりのシーソーゲーム。試合は緊迫感があるのだが、試合ではなくて、ときおり移るスタジアムの様々なテレビカットを見ながら、「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島」が魅力的に見えてきた。
セリーグのホームスタジアムで一番新しいのに、ドームスタジアムでもなく、天然芝の他にも様々な魅力があるのだろう。
こんなホームスタジアムでプレーできる広島の選手も快適だろうし、ひょっとしたらアウエーの相手選手でも気に入っている選手もいるかもしれないと感じた。
今日のような春の深まった陽気の午後に、こんなスタジアムでビールを片手に野球観戦できたら、どんなに素晴らしいだろうと思ってしまった。
マスヲの好きな作家のひとり、村上春樹はスワローズファンである。ちなみに村上春樹はスワローズ名誉会員の№2、名誉会員の№1はなんと出川哲朗らしい。
村上春樹が小説を書くきっかけに次のような有名なエピソードがある。
明治神宮野球場でプロ野球の開幕戦のデーゲームをビール片手に観戦中に小説を書くことを思いついたそうだ。
そのエピソードを彼のエッセイの中で読んだときに、それが東京ドームでのヤクルト対巨人だったらそんな気は起きなかったのではないかと感じた。(もし、本当にそうなっていたらマスヲの好きな作家のひとりがこの世に存在しないことになり、マスヲの人生にも大きな影響があったと思う)
あるプロ野球解説者が何かの折にベースボールではなく『野』『球』(フィールドでの球技)なのだからと何度も繰り返していたのを聞いたときにも、マスヲは何かを感じた。
村上春樹は天才的な作家でもあるので、彼のエピソード極端な事例なのかもしれないがドームではないスタジアムで穏やかな日中に野球観戦することは、人に何かインスピレーションを与えるような特別な力があるのかもしれないし、今日の観戦でもささいなことかもしれないが何かインスピレーションを受けた人がいるかもしれないなぁ、とぼんやりと考えながらテレビを見続けた。
ちなみに、本日の試合結果は8回裏に広島に2点追加されて、7対8での逆転負けになってしまった。やはり、今年も広島は強いし、残念………。