淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

真夏の雨を見ながら思いを馳せる

 今日は朝から曇りがちで昼前から強い雨が降ってきた。夏嫌いのマスヲにとっては恵みの雨だ。雨が振り込まない方向の窓を開けるとひんやりとした空気が入り込んでくる。
気分の良いまま、座敷からまっすぐに降る雨と灰色の雨雲を見ていたらむかし訪れたある町の風景を思い出した。

 その街はマレーシアのクアランプール。今から15年ほど前にバックパッカーで友人と二人で最初に泊まった街だ。
 熱帯雨林の真ん中に作られた空港を着陸した飛行機が着陸し、荷物を受け取ってイミグレーションを通ってゲートを出ると、外は今見ているような強い雨が降っていた。

 バックパッカーは自由だ。その代わりにパックツアーのように誰もどこにも連れて行ってくれない。空港から何処へ行くのも何を食べるのもどこに宿泊するのも好きに選べるのだが、全て自分たちで手配しなければいけない。
 飛行機内まではアテンダントに日本語が通じたが、空港に降り立った時から日本語はほぼ通じない。拙い英語を使うしかないのだ。
 何とかバスで都心まで向かいながら他の日本人のバックパッカーに話しかけて情報をもらいながら何とかその日の宿を確保したのを覚えている。
 チェックインした後、宿の情報を教えてくれたバックパッカーと遅めの昼食を一緒にすることになった。
 宿の情報を教えてくれたのは2人。1人は京都の大学で世界史の教員を目指している大学生。もうひとりは現場で玉掛技能士として働いていたが、仕事が嫌になりニュージーランドへワーキングホリデーに向かう男性だった。
 2人ともマスヲと連れ立って旅していた友人よりも年下だった。

 安宿を出るときは雨が降っていなかった。クアランプールの街中を少し歩きながら、2人に促されて安そうな中華料理屋に入った。
 その後にタイ、カンボジアベトナムラオスを訪れたが東南アジアの主要な街にはほとんど華僑の人たちが居たし、そのためか同じようなリーズナブルな料金で中華料理が提供される店があった。

 マスヲたちは年上だったし、バックパッカーの旅の作法なども少し教えてもらったのでそのお礼に2人に御馳走すると行ったのだが2人とも一番安いフライライスしか頼まなかった。マスヲと友人はビールも頼んだ。当時、確かフライライスは日本円で100円くらいだったと思う。
 ビールを飲んでいるとまた雨が降り出した。気がつくと店のまわりは雨水で池のようになっていて、ゴミなどが水に浮いてゆっくりと流れていく。そんな中を慌てて出ていくような人は誰もいなかった。