淡白マスヲのたんぱく宣言 

40過ぎのおっさんのエッセイ。昨日より、今日見たことや感じたことを毎日書きたいと思っています。

わかってはいたが日本の政治レベルは低いのだろう 【福田和也の『総理の値打ち』と『作家の値打ち』を読んで】

 以前、福田和也著の『作家の値打ち』を読んでみたら期待してた以上に面白かった。内容を簡単に説明すると現代の著名な作家の作品に対して100点満点で点数をつけて評価するという試みだ。
 文芸作品、広く言えば芸術に対して点数を付けるということに、様々な意見はあっただろう。ただ、同一の読者が現代の著名な作品について批評をするということにも価値があると思うし、作家や文芸作品のひとつの指標として使用するには価値があると考えている。

 先日、新聞で同じ著者が『総理の値打ち』を書いていることを知ったのでこちらも読んでみた。『総理の値打ち』は日本の歴代総理大臣全員を取り上げて100点満点で点数をつけて評価している。
 歴史好きを自認しているのにも関わらず、戦中戦前の総理大臣では知らない人物や、すっかり忘れていた人物が何人もいたことが恥ずかしかった。どちらかというと、歴史を編年体的に考えたり想像したりするのが好きなので、この本のように人物にスコープを当てていることも興味深かった。

 現在の総理、安倍晋三まで取り上げられているが、面白くてあっという間に巻末まで読み切ったのだが、びっくりしたことがある。90点以上取得している総理大臣は伊藤博文ただ1人しかいなかったことだ。しかもその点数は91点。『作家の値打ち』では90点以上に採点された作品は10作品を越していたと記憶していたからだ。

 ちなみに『総理の値打ち』での90点以上の評価は、「世界史に銘記されるべき大宰相にして大政治家」とされている。
 また『作家の値打ち』の90点以上の評価は「世界文学の水準」としている。
 福田和也の評価ではあるが、日本人には世界レベルに達している作品を書く作家が多数いるのにも関わらず、世界史に残って評価されるような政治家は1人しかいないということになる。
 マスコミをはじめ世間では日本の政治のレベルの低さが語られることが多いが、ひとつの観点として納得してしまった。

 作家は読者が育てる面もあると考えている。優れた作品や著名な作者の作品であれば翻訳もされ、世界中に読者は存在する。よって日本人だけが日本の作家を育てている訳ではないだろう。
 だが、政治家を選択して育てることができるのは自国民だけだ。日本の政治家のレベルが低いのは、日本人の政治に関するレベルが低いことの裏返しということになるだろう。マスヲももちろんそのひとりなのが残念だ。