淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

反省はしません

 ある女子大生のblogを読んでいたら、彼女は名言というものに興味があるらしく、良いものがあったら教えて欲しいと書いていた。その女性がチャーミングだったので、今日は最近*1で一番印象に残っているセリフについて書こうと思う。

 物事には絶対的なものなどはないと言う考えだ。子供のころは頻繁に絶対という言葉を使っていたが、その言葉を口にしていることを母親が気付くと必ずたしなめられたことを覚えている。
 よって絶対的な名言というのも存在しないということを前提としたい。

 昨年マスヲは『第70回全国レクリエーション大会in岐阜』でボランティアをした。ある種目の集計委員をさせてもらった。いつも世話になっている年上の友人にパソコンが詳しいからと言われて依頼されたからだ。軽い気持ちで引き受けたのだが、大会の日が近づくにつれて割と大きなイベントであることがだんだんとわかってきた。
 開会式のリハーサルにも岐阜県知事が訪れて意見し、やり直させたという話も聞いた。大会の参加者は延べ17万人を超えていたようだ。

 それでもマスヲは当日まで準備らしいことは何も準備することなく過ごしていた。仕事ではなくボランティアだからという考えももちろんあった。作業の対価としてお金を受け取る訳ではないからだ。またエクセルの簡単なスキルは持ち合わせているのでアドリブでも充分に対応できるだろうと考えていたからだ。

 だが、会場についてびっくりすることになる。駐車場が広く停車している車も多い。会場にはびっくりするほどの人がいる。マスヲも含めたボランティア全員にスタッフのユニフォームが無償で支給されるほどのイベントだったのだ。
 競技種目の特性のせいかシニア層の割合が圧倒的だった。

 マスヲがいろいろなことを見誤ったわりに午前中はなんとアドリブで対応することが出来た。
 だが、午後からが問題だった。午前中の結果をお昼休みに集計する予定だったのだが、競技者たちが昼食を食べた後に時間を持て余して競技会場に来てしまったのだ。
 中にはマスヲも含めたスタッフたちに思い思いのことを勝手に話しかけてくる人も数多くいた。
 そのせいでパソコンに集中できない。より焦ってくるので集計するのにより時間もかかり、予定より遅くなってしまったのだ。帰りの新幹線の時間に間に合わない、と言ってそのことをさらにクレームしてくる人もいた。

 イライラしながらも彼らの気持ちもわかった。もし、逆の立場だったら自分だってそう思うかもしれないだろうし、スタッフたちがボランティアだということにも、おそらく気がつかないだろう。

 自分の感情を抑えながらも何とか作業を終えると、ある年上の女性スタッフが表彰状に入賞者の名前を書いていた。
 この大会の前に何度か友人宅で準備作業を一緒にしていたので顔は知っていたのだが、彼女は元国語の教師で現在は自宅で書道教室を開いているらしい。
 パイプ椅子に不安定なイベント用の長机なので書きづらいとは言っていたが、綺麗な書体で何枚もの賞状を仕上げていた。

 その当日は帰り道から自分のアドリブ能力と準備不足に不甲斐なさを感じていたが、日が経つにつれてボランティアに参加して良かったと思えるようになってきた。
 一番の理由はお金を受け取らずに多くの人が世の中で動いているということがわかったことだ。

 数週間後、その種目のスタッフたちの打ち上げ会が開催されることになった。ちょうど昨年の今頃だった。時間は平日の夕方だったが開催場所はもちろん岐阜県内だ。名古屋駅から1時間半くらい電車でかかったが現場を定時に脱出してある中華料理店に駆けつけた。

 全員が揃うとその宴の席で幹事が冒頭の挨拶を短く始めた。
 幹事はマスヲをボランティアに引き込んだ友人であり、自分より10歳ほど年長だがそれ以上に様々な経験があるのにも関わらず、上から物を言うこともなく同じ目線で接してくれる。
 そんな魅力も経験もある人がいきなり次のように言ったのだ。反省はしません、と。
 その言葉の説明もそれ以上になかったのでより考えさせられた。

 幹事はもちろん参加者の人柄もあって非常に楽しい会になった。料理も美味しかったせいもあるだろう。焼き餃子が印象に残っているが、やはり今も一番印象に残っているのは彼の言葉だ。
 ボランティアとは人の善意で成り立っている。その思いを誰が咎めることができるのだろうか。
 また、人は同じことを体験するのであれば、前よりは上手くやりたいと思うし、考えて行動するはずだ。
 昨秋と同じメンバ―で同じような経験をさせてもらえるならば、マスヲみたいなアウトローな人間でも尚更だ。

*1:とはいっても昨年だけど