今日の勝男*1は朝から荒れていた。
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マスヲに対して普段から好意的ではないことは知っていたが、普段よりも数センチ自席からはみ出してマスヲの机を占拠していた。
こちらが視線をその辺りに移すとさりげなく自分の陣地に少しだけ退却した。
午前中から熊のようにあちこちのエンジニアの席を歩き回っていたが、イライラして落ち着かない様子だった。仕事が手についていないようにも見えた。彼は仕事が好きなはずのに。
そしてついに午後に事件が起きた。このblogでは書けないような品のない捨て台詞を吐いて、音を立てて椅子から立ちあがるとあるプロパー社員のところに真っ直ぐに向かった。後ろ姿には負のオーラをまといながら。
そして長い間、プロパー社員に対して何かをぶちまけるように長い間話し込んでいた。どうやらプロパー側にある程度の原因があることが聞こえてくる言葉から伺えたのだが、それ以上に彼の中で何かが切れてしまったような感じに見えた。
勝男はたまにマスヲが心で思っているようなことを今までも時々呟いていた。どうせ傭兵だからさ、と。そのときに、マスヲと同じようなことを感じていることがわかってもシンパシーは感じなかったが、今日だけはほんの少しだけ感じた瞬間があった。
夕方、勝男が話し込んでいたプロパー社員がわざわざ彼の自席まできて彼が不満に思っていたことについての現状での答えを説明にきたのだった。
一旦、プロパー社員の話が途切れると勝男は言った。「いいですよ、気を使ってもらわなくても」吐き捨てるように彼は続けた。「外注の1人がただイライラしているだけですから」
勝男がマスヲよりもエンジニアとして能力もあり、向上心もあることは認めている。だからこそ、まわりにも期待しすぎてしまうのだろう。
マスヲはもうそんな時代はとっくに過ぎた。まわりにも、そして自分自身にも期待しすぎないようにしている。性善説で考えていると自分の気持ちが持たないからだ。
それからは、彼はなんだか投げやりに見えた。普段なら、自分よりも長い残業をするのだが今日は終礼が終わるとさっさと帰ってしまった。
あとで気がついたのだが、彼は今日も間食はしなかった。居なくなった机の隅にコーミソースだけが残されていた。
彼が自分をいつも以上にコントロールできなくなったのはマドンナが居なくなったことが関係しているのではと考えたが、それはあまりにも勘繰り過ぎだろうか。
*1:勝男については先日書いたblogを見てもらえると愛着がわくかもしれない?