今夜は元同僚と飲むことになっている。今自分が勤めている会社にほぼ同じ時期に入社したのだが、2年ほど前に辞めた。
在職中は様々な愚痴に付き合わされたのにも関わらず、辞める前に相談は何もなく、後日他の人から聞いて知ったので頭にもきたし、本人にも一言意見した。
それから彼は運よく自社開発ばかりの会社で退社時間はほぼ定時なのに、給料は良いという素晴らしい会社に入社した。おかげで彼から飲みにいく誘いはこちらが忙しくても定時上がりでないと難しい時間ばかりを希望してくるようになった。今の現場になってからは難しいので誘いの度に断っていた。
夏の終わりにビアガーデンへの誘いがあったのだが、状況を話して断った。あまりにもこちらに気を使うような言葉がなかったので、イヤミのつもりでメールの最後に次の言葉を継いだのだ。他人事ですね、と。
そうですね、とすぐに彼からの返信がきたのだが、その言葉にびっくりもしたがそれ以上に頭にもきたのでこちらからの連絡を控えていた。
先月の終わりくらいに彼が勤めていた会社の状況が悪くなってきたことがメールされてきた。休日だったがマスヲは出勤中だったので、その旨だけを返すと前とは違って気を使ったような丁寧な返信を頂いた。
自分が何かを聞いてもらいたいので、手の平を返したのがまるわかりだった。怒れるよりも呆れるばかりだった。
昨日、もし今日マスヲに時間が取れるようなら飲みに行かないかと誘われた。断るか悩んだが、結局出かけることにした。今の現場ではストレスが溜まるのでお酒でも飲まなければやっていられないからだ。
人に気を使えないような相手なので、気分が悪くなればすぐに解散して、自分の行きたい店に行ってひとりで飲むのも悪くないと考えたからだ。
どうやら、彼は次の会社の内定が1社は出ているようだ。そのことについての相談という名目なのだろうが、所詮こちらから見れば他人事。それでも、酒の魔力のせいか会っている内に同情して真剣に話を聞いているかもしれない。
人から見ればお人好しに見えるかもしれないが、それも自分に取っては数少ない長所だとも思っているので、仕方のないことだろう。
あとはお金と時間にルーズな彼が時間通りに待ち合わせの場所に来てくれることと、彼自身の希望を満たせるような飲み方が出来るような金額を財布に用意してきてくれるかを心配している。