淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

品質

 今朝はこの秋一番の冷たさを感じたが、その分空気が澄んでいて気持ちが良かった。景色が近くに見えるので、普段気にしていないことにも目が留まってしまう。
 ホームに立ってぼんやりしていると、完成間近の仮設ホームをぼんやりと眺めていた。通勤で使っている私鉄の一部分が高架走行へ変わることになっている。通勤で利用している駅も断続的に工事を行っている。

 工事中の仮説ホームで働いている人をいつの間にか眺めていた。ヘルメットと作業着を着た男性はホームの縁の部分に刷毛で丁寧に何かを塗っている。ホームの端から1/5あたりまで進んでいたが、残りの作業を考えると大変手間がかかるだろうと思って見ていた。根気のない自分には無理な作業だ。

 素人の自分からしてみればあまり重要そうな工程には見えなかったが、専門家の視点では大きな意味があるのかもしれない。その作業を怠るだけホームが崩れるようなことがおこるかもしれならいし、仮にホームの崩落ともなると状況やタイミングによっては人命にも影響が出ることもあるだろう。

 今の自分が関わっている作業の工程の区切りが、一応今日までだった。本当は先月末だったのだが、管理職の工程計算があまりにも杜撰だったために全く間に合わず、1か月伸びたのだ。その延長した1か月という時間にも、全く根拠が感じられず、どんぶり勘定としか思えなかった。
 自分の担当分の作業は本来なら余裕を持って終わるはずだったが、先々週に突然他人の28時間に見積もられた作業を余分に担当させられることになった。

 相手先の管理職と交渉をしてある程度の条件を付けたので、今日までに完全にやりきることは出来なかったが90%ほどはやり遂げている。普段、口を訊かない他のエンジニアも自分の進捗に多少は感心してくれているようだった。
 他の外注はともかく、プロパー社員の進捗が目を覆いたくなるような状況だ。

 まわりが自分に驚いた以上に、自分は他にもっと驚いたことがある。それは、マネージメントしている会社の品質だ。納期が迫ってくればある程度品質に目を瞑ることは想定していたが、その品質を驚くほどに下げてきた。切羽詰まれば詰まるほどに。これが、直接人命に関わるようなものだったと思うと、ぞっとするほどだ。いい加減な自分が感じるほどなので、かなり酷い品質だ。

 今、仕事をさせてもらっている会社の業種が違ってさらに時間や予算に追い詰められた時に、社会を驚かすような事件を引き起こすのだろう。耐震偽装や廃棄食品の偽装販売などのような。
 だが、そこまで会社を追い詰めているひとつの要素は、間違いなくお客だということも自分は忘れたくはない。