淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

肉食なのに

 今日は金曜日。世間は華金だが自分は18:30に現場を出ると19:30には副業先のラーメン屋で働いていた。多少前振りはあったがバイトすることが確定したのは当日の朝だった。
 夕方店で働くということは何かと足りない店の責任者、マコちゃんと一緒になる。週末の夜の割には忙しくなかったこともあって頼りない責任者と一緒でもトラブルもなく、時間が過ぎていった。

 仕事終わりの時間に近づいたころ、いきなりバックヤードに来るようにマコちゃんに声をかけられた。嫌な予感がしたが仕方がない。彼は店で一番偉いのだから。
 彼は12月のカレンダーを自分に見せながら忘年会はいつがいいかを尋ねてきた。店の定休日が火曜日なので、どの週の火曜日であれば都合がつくのかと。
 前半であれば出席できることを告げると、開催するお店は彼の中では決まっていた。

 彼のマドンナは寿司が食べたいらしい。外国人が実際に食べて美味しく感じる日本食の1位は寿司だということを何かで読んだので、中国人であるマドンナが寿司に興味があるのはなんとなくわかる。
 そのせいで寿司が食べられるお店に決めたようだ。自分としては自社の忘年会は自分が幹事なので寿司屋で寿司の食べ放題のコースを予約したので、本当は別の料理が良かったが仕方がない。

 だが、彼女以外の従業員はマコちゃんが魚料理に興味がないことも、焼肉が大好きなことも知っている。彼の希望に沿うように例年の忘年会は、焼肉屋で開催することが多かった。
 ある年は彼の希望もあって北海道の海産物料理屋で忘年会を行ったのだが、コース料理だけでは満足できずに単品で料理を追加すると彼は言い出した。そんな店に来ているのに焼いた牛肉料理を注文したのだ。
 コース料理の料金は会社から予算が提供されるのだが、単品分は予算からオーバーしてしまった。皆彼が頼んだ料理は責任者である彼が払ってくれると当然のように思っていたようだが、出席者全員に後で請求してきたのだ。1人ずつに数百円を。彼の低い株を自分自身でさらに下げた瞬間だった。毎年、忘年会の時期が近くなるとその話を従業員の誰かが持ち出すのだ。

 会社のお金でタダ酒が飲めるのであればある程度妥協するしかないだろう。当然、決められたコース料理を予約するはずだが、それだけで彼や彼のマドンナが他の料理を別に注文したとしても、今年に限っては彼が支払ってくれると高を括っている。
 いくらなんでも自分が心奪われている女性の前では最低限の甲斐性は見せてくれるはずだと信じている。