淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

忘れていた素敵なコンプレックス 【「海月姫」5話までの感想】

 月9の海月姫を毎週楽しみにしている。芳根京子さんが出演していることだけがきっかけだったが、見始めたらすっかりはまってしまった。恥ずかしいが正直に書くと、ここ数話は見終わると涙を浮かべているほどだ。
 45歳のオッサンが若者の恋愛ドラマで泣いているなんてみっともないとは思うが、それくらいこの作品が魅力的なのだろう。

 これくらいはまったドラマは最近ない。当然、気になるところはいろいろとあるが、自分が一番気になっているところは、主要な登場人物の内面性が上手く設定されていることと、その登場人物を担当している役者1人1人も上手くそれぞれの心情を出せていることだと思う。
 芳根京子さんが主役の『倉下月見』に入り込むような演技が秀逸なのはもちろん、それ以外の『尼―ズ』のメンバーの演技も光っている。
 大御所の北大路欣也も存在感を示しているし、運転手役を演じている要潤も、今まで見たことがなかったコミカルな演技も面白い。
『鯉渕蔵之介』を演じる瀬戸康史の演技はもちろんのこと、彼の女装姿もこのドラマの見どころのひとつだろう。

 このドラマを見て、なぜ自分がこれほどまでに心が揺さぶられるのかを考えていて、気が付いたことがある。
 それは主要な登場人物がほぼコンプレックスを持っている。物語中で彼らがそのコンプレックスに対峙している姿に感動するのだろう。
 自分もヒロインである『倉下月見』のような20代のころにはどうしようもないほどに、コンプレックスの塊だった。
 そのコンプレックスのために自分を必要以上に卑下したりすることもあったが、逆にコンプレックスがあったからこそ、何回も純粋に人を好きになることが出来たのだと思う。

 残念なのか、それとも喜ぶべきことなのかはわからないが今の自分にはコンプレックスを感じることが少なくなった。
 若いころのようにコンプレックスに押しつぶされるようなことがなくなった代わりに、気が付いたら純粋に異性を思うようなこともなくなってきている。
 だから、このドラマの登場人物を見ている間だけは、若いころの自分の思い出、ほろ苦いけれど懐かしい心情を疑似的に取り戻している気がしている。

 次回からは第二部になるらしいが、どんな展開が待っているか楽しみだ。来週も涙を浮かべてしまうのだろうか。また、40代のオッサンでハマっている人が日本中でどれくらいいるのだろうか。
 視聴率はそれほど高くないようだが、最終話までカットされることなく、当初にスタッフが考えた通りに作品が作りあげられることを、心から願っている。