先日、お昼休みに立ち寄った本屋で『銀翼のイカロス』の文庫本を見かけたので、迷ったが購入した。
作品の著者は池井戸潤。半沢直樹シリーズの4作目。このシリーズの前作までは全て文庫本で手に入れて読んでいたが、今回も文庫本になるのを楽しみに待っていたのだが…。
ちなみに前3作では、『ロスジェネの逆襲』が一番気に入っている。
自分はそんなに多読ではないが、コンスタントに本は読み続けている。フィクション、ノンフィクションにこだわっていないが、全て買っているわけではない。図書館もそれなりに利用する。
また、作者や作品によっては新書で買うこともあるが、文庫本になるのを待っている作家や作品のシリーズなども多い。夏川草介の神様のカルテも全て文庫化されるのを待ってから読んだ。
文庫本のメリットは値段がお手頃なこと以外にもいくつかある。新書に比べて本のサイズが小さいために、持ち運びに便利。作品によってはジーンズの後ろのポケットにも入る。冬であればアウターのポケットなら尚更だろう。
そのサイズのために通勤バッグの中でもかさばらない。混雑した電車の中でも新書に比べると読みやすい。読み終わった後にはサイズか統一されているために、本棚への収まりもいい。
また、作品によっては文庫化されるときに、著者によって部分的にリライトされることも結構目にする。後書きが新書版の時に書かれたものの他に新たに追記されたり、作者と他者との対談などの付録得点も何回か見たことがある。文庫版の方がメリットが多い。
だから、図書館で作品を借りるときに、新書版と文庫版と両方ある場合は迷うことも少なくない。
だが、最近ある出版社の経営責任者が公的な場で耳を疑うような発言をした。文藝春秋の松井清人社長だ。
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確かに出版社の経営が苦しいのはわかる。だが、松井社長の考えは経営者としてあまりにも安易な考えだと思う。子供でも考えつきそうな次元の提案ではないか。一流出版会社の代表の言葉としてはあまりにも情けない。経営のプロとしての矜持はないのだろうか。
自分にとっては小室哲哉を追い詰めた文春砲の是非なんかよりも気になっている。
ただでさえ、最近文庫本の価格が気になることが多いのに。
国内の人口が減少しているので、市場が縮小している業界が多いだろう。その中でも、活字離れの傾向も強いために出版業界がより苦戦しているとは思う。
同社の創業者である菊池寛が存命だったとしたら、松井社長の経営手腕を彼はどのように評価するのだろうか。
ちなみに半沢直樹シリーズは文春文庫なので、買うときに社長の顔がちらついたのは事実だ。