淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

非円満退職

 友人、知人から相談や愚痴をよく聞かされる話題がある。その話題とは退職にまつわるものだ。
 確かに自分は相談相手として相応しいだろう。いくつかの業種を渡り歩いてきただけでなく、在籍した会社の数は普通の履歴書のフォーマットでは書ききれないほどの数だから。

 しかも、ある医療法人を退職したあとに、在籍時に支払われた報酬を巡って法廷で争ったことがある。入職時に取り交わしていた条件と実際に支払われた金額が違ったからだ。この話は書きだすと長くなるので、別の機会に触れたいと思う。
 別居中の妻も、今勤めている社会福祉法人相手に裁判をしたことがあるらしい。夫婦そろって法律に乗っ取って雇用主に異議を申し立てた跳ねっ返り。

 直近で受けた相談内容は友人が用意した退職届を会社が受け取らないというものだった。自分は知っている知識を総動員してアドバイスをしたが、参考になっただろうか。
 また、試用期間中に通院のために残業をしなかった知人が、会社から通院先に病状の問い合わせが入ったことも相談された。
 そのことについても自分はそれなりのアドバイスができたと自負している。病歴はもちろん個人情報になるので、病院が会社に情報を漏らすようなことはなかったようなのだが。

 会社っていうやつは、と愚痴りたくもなるが自分も生涯に一度だけ、会社側に立ったことがある。そのことについては今思い出しても胸が痛い。
 10年以上むかし、ある会社に所属していた時の上司、部長の依頼でリストラの片棒を担いでしまった。しかもリストラ対象は女性の同僚2人。今だったら会社の命令でも、間違いなく拒絶するだろう。理不尽な指示だったら例え社長からの依頼であっても。
 この会社の社長は自分が入社したころ、お酒を飲むとよくリストラのことを次のように言っていた。リストラは英語の「Restructuring」の略で、本来の意味は「再構築」を意味するということを。従業員を整理するような経営者は無能であるようなことも口にしていた記憶がある。

 なので、上司から同僚の女性二人を退職させることを会社が決めたことを聞いたときは、本当にショックだった。
 そのことが、自分が会社や経営者を信じられなくなった一因にもなっていると思う。
 彼女たちの退職が正式に決まったあとに、自分は2人に謝罪した。謝罪しかできなかった。
 すると2人からは当たり前のように同じ答えが返ってきた。知っていたなら、もっと早く教えて欲しかったと。
 当事者なら当然だと思うし、会社側に立った卑怯な自分に素直な気持ちを吐露してくれたのが、慰めになっている。
 自分もその会社を辞めたこともあって、しばらくは定期的に2人と連絡を取っていた。
 今もそのうちの1人とは定期的に食事などをしている。会えば当然のようにその会社や当時の上司の悪口ばかりになってしまうが。