淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

リアル・パーテーション

 今の現場のオフィスには選ばれた人しか見えない壁があった。自分のような愚民には見えない壁が。
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 ルールをなかなか守らない民たちに権力者がしびれを切らしたのか、強硬な手段に訴えた。誰にでも見える壁、白いパーテーションを用意したのだ。

 ちなみに昨日、自分たちのグループ全員にようやくセキュリティカードが下賜された。これで愚かな民もスムーズにトイレに行けるようになった。
 セキュリティカードがない時は、喫煙タイムどころかトイレにさえ思うように行けなかったが。
 カードが用意されるまでにかかった期間は2週間。自分は随分と待たされたと感じるが、配布する側から見ればそそんなことは思ってもいないのかもしれない。

 昨日まではパソコンのモニターを見るのに飽きると、視線をあげるだけでオフィス全体が見渡せた。今日からはパソコンから視線を外しても白い壁しか見ることができない。
 今のオフィスには始業や終業、お昼休みなどの始まりなどを告げるチャイムやベルがない。
 その代わりに人間チャイムというシステム?が取り入れられている。
 某NECの若いプロパーが交代でチャイムがわりにアナウンスするのだ。お昼休みになりました……、などと。
 だが、誰にでも見える壁のせいで素晴らしいアイデアにも不都合が出てきた。時間を知らせる音が壁にさえぎられて、自分の席まで聞こえづらくなったからだ。
 自分がもう少し図太い神経を持ち合わせていたら、聞こえないフリをして昼休みをいつまでも続けていただろう。

 今、自分が所属しているチームは男性ばかりで10人弱。年齢は60代から20代までそれぞれの世代のエンジニアで構成されている。
 チームが結成されてから2か月近く経つが、チーム全体の飲み会などもない。お互いにプライベートなことを話す機会もないせいか、最近になってようやく全員の顔と名前が一致してきた。
 だが、彼らがどういう人間性なのか全くわからない。同じチームで仕事をしているのに、見えない壁を感じる。

 仕事だけではなく、最近人との間に壁を感じることが多い。
 2、3年前までは壁を感じたことがあったとしても、今より高く厚く感じなかった。そのせいか壁を乗り越えたり、穴を開けたりするなどのいろいろな手段を使って自分から相手に近づいていた。
 弊害として相手の気持ちに土足で上がり込むような、無神経な振る舞いをしてしまい、不興を買ったこともよくあったが。

 有っても無くても気になる壁。見えるものも見えないものも。
 そういえばアメリカ大統領の公約である壁は一体どうなるのだろう?