昨夜で終わってしまった。月9の『海月姫』が。見終わって数時間が過ぎてから、この文章を書きはじめている。
連続ドラマの最終回はがっかりさせられることが、結構あるがこのドラマは最後の最後まで楽しむことができた。
毎話、このドラマの後半では涙を流していたが、昨夜は涙を流すことはなかった。
それは決して自分の心が動かなかった訳ではない。微かに振動し、心地よいまま最終回を見届けることが出来たからだろう。
今の仕事の現場は正直いって辛い。月曜日が特に憂鬱だ。そんな月曜日に、このドラマを見ることができたおかげでどれだけ慰められただろう。
来週からこのドラマの放送が無いことを考えると、少し寂しい。
月9でなくても、フジテレビでなくても構わない。月曜日の夜に夢中になれるような番組が4月からの番組改編で始まることを願っている。
自分は子供のころからハッピーエンドの物語が大好きだ。40歳を過ぎたオッサンになった今でも。
例え、まわりからカタルシスを感じないとか、リアリティに欠けるといった意見を聞いても、だ。世の中に目を向けると現実は残酷で辛く寂しいことが多すぎるからだ。
作品の受け取り手に、リアリティやカタルシスを伝えることができても救いのない物語よりは、作り物っぽさを指摘されるような作品でも救いがあるものの方が自分は好みだ。『海月姫』はそういう作品だったと思う。
ドラマの最後に瀬戸康史演じる蔵之介に、ヒロインである月見が口にしたセリフが素敵だった。『魔法をかけてくれたから』というキーワードが特に。
いくらラブコメだとしてもこのセリフを口にして演じるのも難しいだろう。そんなクサイセリフを聞いても痒くもなかったし、笑えてもこなかった。物語に夢中になったままだった。
瀬戸康史と芳根京子さんの存在感と演技力がそうさせたのだろうし、その二人のシーンを的確なカメラワークと編集で上手く支えたのだろう。
視聴率が最後まで芳しくなかったことが最後まで気になっていた。それにも関わらず、変にカットしないで最終話まで放送してくれたフジテレビの関係者に感謝したい。
最後に視聴者の1人である自分を、最後の最後まで魔法にかけ続けてくれたこの作品に出合うことが出来たのは小確幸だったと思う。
ありがとう、そしてさようなら『尼―ず』。そして『海月姫』。