今夜は久しぶりに長い夜になりそうだ。現場のリーダーに納得のいかない残業を強いられているからだ。
外は雨が降っている。夜が深まるにつれて雨が強くなる予報なので、できれば早く帰りたかった。
あきらめて、家の方角と逆方向に向かった。今日のうちにblogを書きながら夕食を食べれる店に向かうために。
今入店して残業に備えて食事をしながら、今この文章を書いている。サラリーマンであるならば、理不尽な指示や作業は常につきまとう可能性がある、悲しき稼業だ。
今の現場は今月限り。あと8日しか在籍しないのだから本来であれば引継ぎの作業に重点を置くのが普通だと自分は考えるが、現場のリーダーはどうやら違うらしい。
自分がいなくなった後にどうなろうと知ったことではないので、何も言わないが。
だいたい、こんなタイミングで今日のような指示を出す人間が他者からの助言を素直に受け入れるとは思えないが。
今日、自分が残業することになった理由は明日の打ち合わせのための準備のためらしい。だが、そもそも自分がいなくなった後のプロジェクトのことなんて自分にとっては関係ない話。
無責任との誹りを受けようともサラリーマンとしての数少ないメリットは、最小限の仕事をした上でその対価を最大限受け取ることだと、今の会社に在籍するようになってからは考えるようになった。
なので、このプロジェクトの未来のことなんてどうでもいい。そんなモチベーションで明日の準備を命じられてもろくな結果にならないのは明白だ。
自分がリーダーだったら、未来に影響する仕事をプロジェクトから去る人間に依頼したりはしない。リーダーである彼はそれくらいのことに気が付かない人間か、強い性善説を抱いているかのとちらかなのだろう。
ちなみに自分はシステムエンジニアの仕事をするまでは性善説で生きてきた。理由は人を疑うことは疲れるからだ。別に人間としてできていたからではない。
今日の残業を自分に命じたリーダーの言い草だと今日という日は24時まであるらしい。自分とはどうやら違う時計を持っているようだ。
そんな彼と話し合っても無意味。そもそも基準が違うのだから。
今のプロジェクトに着任してからの3か月、心落ちしないことがいくつかあったが、それもあと数日の辛抱だ。
夕食のピラフも食べたし、そろそろオフィスに戻るとしようか。ピラフは明らかに冷凍食品で油っぽかったが、持ってきてくれた店員はけっこう可愛かった。
無機的なオフィスに戻る前にもっと彼女をもっとしっかりと見ておけばよかったと思っている。