淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

届かないとわかっていても

 昨日、自分が所属している同人誌の例会だった。15年ぶりに書いた自分の小説が取り上げられた。
 終わってみれば、指摘された箇所は納得できることがほとんどだった。そればかりか、好意的に読んでもらった気がする。
 作者として作品を通して伝えたかったことも、伝わった感覚も多少はあった。

 自分が同人誌を離れていた間に書き続けていたある同人に、もったいなかったと𠮟咤激励された。文章技術が拙くなっていたということをその同人は伝えたかったようだ。
 過ぎてしまったことは仕方がない。当時、自分としては小説を通して伝えたい何かを失っていたのだから。

 例会後の親睦会ではヤケ酒を煽ることもなく、また堀川に飛び込むこともなかった。
 指摘の中で文章技術について、いくつかの指摘をもらった。その中のひとつは先日、花見で会った友人にこのblogの文章で気になる点と一致していた。その友人の指摘を今改めて考えさせられた。

 作品の文章でも指摘され、blogを書いている中でも最近感じていることがある。それは、改行と文末の処理。
 改行は考え出すとどんどん深みにはまっていくこともあるが、シンプルに考えると自分なりの回答がすんなり出る場合もある。
 文末の処理の方が自分にとっては今後の課題だろう。同じ述語が続くことを避けるために、書いている体言止めや助詞で終わることが、スムーズさを欠いているようだ。

 この点はどうやったら修正できるのか、自分なりの修正方法が今のところ見つかっていない。
 泥臭くて効率性が悪くても、まずは優れた文章をたくさん読んで吸収するしかないのだろうか。

 親睦会の後に独りで飲みなおしたくなり、道草をした。今回の小説の舞台のモデルになったお店で。
 日曜日だが、それなりにお客さんが何人かいた。カウンターには顔なじみのお客が座っていたので、挨拶をして隣に座った。

 この店を知り、ある晩に訪れたことが今回の小説のモチーフになっている。その夜のことを振り返ると今でも不思議な気がする。その夜とは昨年の今頃だ。

 もし、この店を知ることがなかったら、そのタイミングで飲みに行かなかったら、と考えてみる。
 ひょっとしたら、2度と小説を書けなかったかもしれない。タイミングや人との出会いは本当に微妙だ。

 ただ、昨日飲んでいて寂しかったことがある。隣のお客と時折話していても。
 作品の登場人物のモデルになった2人の女性店員が今ではもう働いていないからだ。
 三枚目の自分には似合わないかもしれないが、心の中で彼女たちにお礼を言った。言わずにはいられなかった。
 届かないとわかっていても。