淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

おにぎり海苔

 今朝は6時に起きた。スキーや釣りに出かける予定でもないのに。
 朝から、お弁当を2人分作り始めた。昨夜、寝る前に料理酒、出汁醤油、生姜とニンニクをもみこんでおいた鳥のモモ肉を唐揚げにした。
 ウインナーを焼いて卵を茹で、レタスとプチトマトを洗って簡単なサラダを用意した。

 朝食を食べて、妻と約束していた8時に娘を迎えに行くために、自宅を出発した。連休中のためか幹線道路が空いていて、約束の10分前に到着した。
 実は以前、娘にハイキングに連れて行って欲しいとせがまれていたことを覚えていたからだ。
 連休前に娘とハイキングに行きたいという希望を妻に伝えたら、彼女の要望で今日になったのだ。

 インターホンを押すと妻が出てきた。娘が今歯を磨いていることと、お茶と着替えしか用意していないこと、20時までには帰すことを通告された。車のジュニアシートを手渡されながら。
 しばらくすると、娘が笑顔で玄関から出てきた。娘に会うのは2か月ぶり。その間に小学校の2年生から3年生になった。背中には少々大きく見えるリュックサックを背負っていた。

 義父と妻に見送られるなか、車を発車させた。車を走らせながら、あるお手伝いをして欲しいと娘にお願いした。
 自宅に到着してから、お手伝いの内容を説明した。お弁当のおにぎりを一緒に作って欲しいと。自分が今朝作ったお弁当のおかずを見せたせいか、娘は気分よく了承してくれた。
 おにぎりを握りはじめた。炊き立てのご飯のためか、ラップ越しでも娘は熱がっていた。それでも思ったよりも早く6個のお握りが出来上がった。小さく不格好のものが多かったが、食べてしまえば味はそれなりのはずだ。

 おかずとお握りを娘のリュックと自分のバッグに分けて、手早く詰め込んだ。8時30分過ぎに自宅の門を出た。
 最寄りの私鉄の駅まで2人で歩く。通勤時に毎日見ているはずの風景も、晴天と可愛いらしいパートナーのせいか、いつもとどことなく違って見える。
 切符を買ってホームに向かうと、電車が少しずつ大きくなってくるのがわかるので、急いだ。
 車内は通勤時に比べれば空いていたが、座れるほど閑散とはしていなかった。

 ある駅でJR中央線に乗り換えた。今日の目的地は定光寺だったから。JRのホームで中津川方面の電車を待っていると、快速電車が来たために見送った。
 秘境駅でも有名な定光寺駅は普通電車しか停まらないからだ。一本見送ると高蔵寺行きの普通電車が来たので乗車した。先ほど乗った私鉄の電車とは比べられないくらい、乗客は少なかった。2人でゆったりと長いシートに座ることが出来た。
 乗っている最中に自分はある勘違いをしていたことに気がついた。定光寺駅高蔵寺駅のひとつ向こうの駅のため、高蔵寺駅止まりの乗っている電車では行けないことを。
 娘に事情を話して、高蔵寺駅のホームで次の普通電車を待つことにした。

 ホームのアナウンスが聞こえてきた。次の電車が快速電車であることを。ここまでは想定内。アナウンスは続く。今日はイベント開催のために、快速電車が定光寺駅に停車することを。このことは想定外。2人にとってラッキーだった。
 ホームに滑り込んできた快速電車は混雑していた。座れなかったがたった、一駅だ。
 娘に次の駅に行く途中までに景色が一変することを話したが、想像できていない様子だった。

 トンネルを抜けると駅に着いた。秘境駅で名を馳せる定光寺駅。普段、乗降客がそれほど多くないはずだが、イベントのせいか降りる客が多かった。普段なら駅員がホームにいることなんて見たことがないのに、今日は何人もの制服姿の男性が立っていた。
 狭いホームが混雑していたので、前の人に続いてゆっくりとホームを進んで行く。
 ホームから降りるとお客のほとんどは定光寺方面ではなくて、逆の方向に進んでいる。自分もなんとなく興味をひかれてそちらの方に娘を連れて足を向けた。

 しばらく行くと仮設テントの前に人の列ができている。受付のようだ。そこでやっと快速電車が臨時停車する事情がわかった。登録文化財の愛岐トンネル群、「第21回 春の特別公開」だったのだ。

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愛岐トンネル群、「第21回 春の特別公開」のポスター。
 愛岐トンネル群については、保存再生しているNPO法人のサイトを以下に紹介するので、興味のある読者は参照して欲しい。
aigi-tunnel.org
 自分たち親子は普段公開されていない、往復3.4キロの散策路を往復した。途中で2回休憩し、最初の休憩ではマルシェ広場で販売していたちまきを買って、2人で食べた。
 2回目の休憩では、川と山々の緑を眺めながらお弁当を食べはじめた。その時に自分が忘れものをしたことに気がついた。
 2人で作ったおにぎりは持ってきていたのが、別に持ってくるつもりでいたおにぎり海苔を忘れてしまったことに。
 直巻きにするよりも、海苔の触感が味わえると思っていたので、食べる寸前に海苔を巻くつもりでいたのが、仇となってしまった。
 娘に謝ると、そんなことはそれほど気にしていないようすだった。2人できれいにお弁当を完食した。
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散策路のある広場に泳いでいた鯉のぼり。
 散策中、NPOの人たちが作ったと思われる、ブランコや平均台などの手作りの遊具に娘が夢中になったことも、書いておきたい。
 NPOの方だと思われる人に聞くと、次回の開催について伺うと11月を予定していることを教えてくれた。
 タイミングがあえば、また訪れてみたいと思う。モミジの樹が多かったので、紅葉の美しさもある程度は想像できるから。
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トンネル群のなかのひとつのトンネル。
 散策を終えて、定光寺駅まで戻ってくると今度は定光寺に向かった。駅前の橋と愛岐道路を渡り、東海自然歩道を進んでいく。
 さきほどの散策コースよりも、こちらの東海自然歩道の方が野趣は味わえると思う。行きはそれなりの登りなので、3キロ以上歩いた娘にはきつかったと思うが弱音は吐かなかった。
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山頂へ向かう、東海自然歩道
 30分弱ほどで山頂に辿りつくと、そのまま定光寺の参道に向かった。
 実は自分も定光寺の山頂にある公園は何度か訪れたことがあったが、定光寺へのお参りは初めてになる。
 参道の階段は163段。自分も汗ばむほどだったが娘はどうだったのだろう。階段好きなことをアピールしたいのか、学校の階段の昇降について口にしていたが、本当はそれなりに疲れていただろう。
 山門をくぐり本堂でお参りしてから、娘はおみくじを引き、2人でお茶を飲みながらベンチで休憩してから、参道を戻った。

 その後、山頂公園の遊具で娘は遊んだり、2人でかくれんぼをして30分ほど過ごして、駅まで戻ることにした。
 帰りは楽な舗装された歩道を娘に勧めたが、首を縦に振ってくれなかった。彼女は山道をすっかり気にいったようだ。
 無事、怪我もなく定光寺駅まで辿りついた。

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帰宅時にホームから見た風景と、ホームの様子。秘境駅の様子が少しでも伝われば幸いだが。
 帰りの電車を待つ間に、スマホのアプリで歩いた距離を調べた。歩いた距離はおよそ19,000歩。娘は自分以上に走りまわっていたので、20,000歩以上かもしれない。
 1日でこんなに歩いたことは、最近記憶にない。娘に聞いても同じようなことを言っていた。
 だが、自分にとっても心地よい疲れになっている。娘にとってもそうであって欲しいと思いながら、今この文章を書いている。