淡白マスヲのたんぱく宣言

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40過ぎのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で毎日書くので気楽に読んでください。

感情で筆を走らせること【落合博満の『野球人』を読んで】

 今日の昼休みに落合博満の『野球人』を読了した。彼の著作は『采配』と『プロフェッショナル』も過去に読んでいる。

 ドラゴンズファンである自分にとって、ひいきのチームを日本一にしてくれた監督の彼には、好意的だ。
 監督だった彼には興味があったので、『采配』が出版されるとすぐに、店で購入して読んでみた。全体的に落ち着いた文章で、かつ理論的に彼の考えが書かれていたのが印象に残っている。

 それに引き換え『野球人』は、冒頭から彼の感情が強く滲み出ている。現役を退いてすぐの著作でもあり、彼の年齢が40代で『采配』を書いた年齢に比べるとずっと若いことも影響しているのだろう。
 彼が『野球人』を執筆した年齢と今の自分と同じ45歳。偶然なのかもしれないが、何かしらの縁も感じた。

 自分が今まで読んだ彼の著作の中では『野球人』が一番好きだ。それは彼の思いが一番伝わってくるからだ。
 文章は冷静にかつ客観的に書くべきだという考えが、主流だろう。自分も基本はそう考えている。フィクションであればそれは尚更。
 創作なので客観性がどうしても重要になる。感情に流されて文字を綴っていると、構成などが乱れ易くなり、リアリティが損なわれやすくなるからだ。

 だが、ノンフィクションは幾分違う気がする。自分が実際に見聞きしたことを伝えるときは、自分がそのときに味わった感情を上手く文章に加えると、読者により臨場感を提供することが可能だろう。さらに、著者の人間性も伝えることができるかもしれない。

 自分にとって落合博満は名監督であったが、選手としては今まであまり良く思っていなかった。だが、この著作を読んで考えが変わった。しかも、冒頭から読み初めてすぐに、だ。
 この本は彼が日本ハム在籍中に引退を決めることになった経緯のエピソードから始まる。当時の日本ハムの監督は上田利治

 上田監督は亡くなった父親が好きだったこと。阪急ブレーブスを日本一に導いた実績から、自分にとっては好きな監督の1人だった。
 だが、自分の好きだった上田監督と著者は野球観の違いに悩み、しかもそのことが彼の引退の一因になったことが文中から垣間見えたのは興味深かった。

 自分は感情的な人間だと思う。小説を書いているときは、感情のコントロールに気をつけている。特に初稿を脱稿してから、校正や推敲しながら読み直しているときには。
 しかし、ノンフィクションを書いているときは、もっと感情を前面に出しても良い時があるのではないかと、この著作を読んで考えさせられた。オレ流ではなくマスヲ流で。