淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

続・キャバレー花園グランドスラムへの道

 5年前の2013年6月3日は、ある上場会社の入社日だ。同日に入社した仲間が2人いた。その中では自分が最年長。
 3人の中で、自分が最初に退社していたが、残りの2人も現在は会社に在籍していない。

 そのうちの1人は三重県在住で、今年30歳。入社したころは一緒に内勤作業をしていたこともあり、よく呑みにもいった間柄だった。
 久しぶりに連絡をしたら、急に彼の顔を見たくなったので、呑みに行く約束をしていたが、その日が昨日だった。

 17時37分、名古屋駅発の『快速みえ』に乗車した。友人と再会する街、桑名を目指すために。
 夕方とはいえ、JR名古屋駅のホームはまだ暑かった。

 最初に乗車した車両は閑散としていたので、シートに座っていた。だが、社内のある掲示に気がついた。『指定席』と書かれていたのだ。
 隣の車両に移動すると、社内は混雑していて、座れなかった。4人がけのシートに座っていた乗客の何人かが、ビールや酎ハイの缶を窓際に置いたり、手に持っていた。

 ディーゼルエンジンがかかり、車両が動き出した。立ちながらも車窓を楽しんでいた。新幹線や車以外で西に行くのは、自分の中では希。
 車窓から見た景色で一番印象に残っていたのは、木曽三川だった。木曽、長良、そして揖斐川も水面が異常に高かった。先日までの長雨の影響が、まだ残っていることが、わかった。

 景色が新鮮だったせいか、桑名駅までの22分間は早かった。乗車中、友人に汽車の到着予定時刻をメールしたら、改札口で待っていてくれた。改札口での久しぶりの再会。友人はびっくりするほどスマートになっていた。
 自分も友人も一件目の店は決めていなかった。歩きながら、自分が気になった店に入店した。
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 自分が選んだお店は、『魚侍 ~はなれ~』。カウンターの隅に案内された。

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店内の一部。自分たちはこの写真でいう一番奥に陣取った。
 昨夜の自分の感は冴えていた。いくつかの料理を選んだが、美味しいものばかりだった。
 特に印象に残っているのは、蛤の天ぷらと寿司。桑名名産ということもあって注文してみたが、記憶に残る味だった。
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スイマセン。料理の写真はほとんど取り忘れてトンテキのみ。。。
 2時間ほどの飲食を楽しんで、2件目を目指した。昨夜はある自分の宿望に、友人にもつきあってもらった。
 そう、キャバレー花園グランドスラム達成へのリーチをかけるために、桑名店を目指したのだ。
 自分はともかく、三重県在住の友人も桑名店は未入店だったようだ。

 あるビルの2階に桑名店はあったために、階段を上がった。店内に入ると、キャバレー花園らしい内装だったが、箱はいくぶん小さめだった。
 久しぶりの花園。最後に遊びに行ったお店は東新町店で、昨年の5月25日。
hatehatehahaha.hatenablog.com
 気になったので、キャバレー花園のホームページを調べると、東新町店が閉店となっていることを知った。どんなものでも、やはり時の洗練を受けないものはないのだろう。
 マスヲが掲げる目標、キャバレー花園グランドスラム達成。他人が見たら馬鹿らしく思えるようなことでさえ、綱渡りのようなポイントがひょっとしたら、今までも何回かあったのかもしれない。
hanazono-g.co.jp
 店で自分にサービスしてくれた女性は、正直自分のタイプではなかった。容姿はともかく、話が全く弾まなかったのだ。
 県外遠征だったこと、翌日仕事だったためにワンセットで帰るつもりだったのに、シスター*1の延長依頼が少しくどかった。
 それでも、下り階段を千鳥足で降りて通りの風に吹かれていると、悪い気はしなかった。生ぬるい風だったのに。

 桑名駅まで歩く途中、友人に言われた。花園で楽しんでいない様子が伝わっていたかのようなことを言われたのだ。
 友人は自分自身についた女性について話してくれた。32歳と口にしたが、そうは思えなかったことを。店外まで見送ってくれた街灯に照らされた彼女を見ると、確かにも少し年を重ねているように、自分も感じた。

 だが、決して悪い夜ではなかった。本当に楽しい夜だったと思う。久しぶりに一緒の釜の飯を食べた友人と会えたこと。自分がグラスを傾けたことがない街でお酒を呑めたこと。入店したお店の料理が美味しかったことと。
 そして、なによりキャバレー花園グランドスラム達成にリーチをかけることができたのだ。しかも、自分のこだわりの目標のために、久しぶりに再会した友人が付きあってくれたのだから。

 友人は桑名駅からは自分と逆方向だったのにもかかわらず、名古屋方面のホームまで来て見送ってくれた。自分の汽車が先発だったとはいえ。
 汽車がホームに滑り込んできて停車し、扉が開いたので乗り込んだ。往時とは違い、名古屋行きの汽車は各駅停車。車内も静かだった。4人掛けのシートにゆったりと1人で座ると、まだ友人は見送ってくれていた。

 汽車がホームを離れた。車窓から車内に視点を移すと、ほとんど乗客がいなかった。
 夕方の快速は桑名まで停車することはなかったが、自分の貸し切りになっているような汽車は、こまめに駅に停車していく。自分が聞いたこともなかったような、名前の駅まで。

 木曽三川を渡り、愛知県に戻ってきた。たった、数時間の三重県の滞在が長くも短くも感じた。
 どの駅かは覚えていないが、愛知県に入ってからのある駅で1人の客が乗り込んできた。丸刈りのスポーツバッグを持った学生が。
 しかも、彼は自分が座っていた4人掛けのシートの斜向かいに座った。
「野球部?」と自分は彼に話しかけた。
「はい」と感じよく彼は答えてくれた。
 こちらが学校名などを訪ねると、学年や名古屋市内にある降車駅、明日は試合であることまでも教えてくれた。

 自分が通学していた高校には野球部がなかったこともあって、男子高校生、しかも野球部員との会話は新鮮だった。
 彼にとって、酔っ払いのオッサンとの会話はどうだったのだろう? 明日というか今日、部の仲間たちの話のネタにしてくれたのだろうか。
 気持ちの良い夏の夜が、車窓とともに過ぎていく。名古屋駅で彼と別れて、乗り換えのために他のホームへ向かった。

 気分が良いので、道草をして呑みに行くことも考えたが、翌日の仕事のメンバーのことも考えて自重した。
 しばらくは、寄り道したくて仕方がなかったが、せっかくの気分が壊れてしまう可能性もあることにも考えが至った。
 自宅近くの駅までくると、郊外のせいか気持ちのよい夜風が吹き抜けていく。昨夜吹かれた夜風の中で、一番気持ちの良い風が。

*1:シスターというのは店舗に一人ずついる、キャストの面倒や店舗の立ち回りをアシストする姉御的な女性の事です。シスターは基本席に付くことは無く、女性だらけの店舗を仕切るのが役目です。 花園のシスターはしっかりものの女性が多く、社員も店舗も頼りにしています。 尚、シスターという言い回しはキリスト教の「修道女」を意味するシスターから来ているとのこと。 ※ キャバレー花園HPのキャバレー用語辞典より