淡白マスヲのたんぱく宣言 

40歳過ぎのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で毎日書くので気楽に読んでください。

確かにコオロギが鳴いていた

 昨日、副業先で予定通り8時間働いた。昼の繁忙時に3時間と、19時から日付が変わるまでの5時間。

 昼の休憩時、従業員たちが店の責任者マコちゃんが一昨日の自分に対してのボディータッチをセクハラだと、冗談交じりに認定してくれた。
 明らかに自分は嫌悪感を抱いていたので、ハラスメントにはなるだろうと考えていたが、現場を目撃した人たちからはセクハラに見えたようだ。男が男にセクハラをする。変な時代になったものだ。

 昼は昨日よりも忙しかったものの、特別キツさも感じなかった。先々週の4日間、炎天下の中ボランティアに参加したことが、プラスに作用したようだ。身体が鍛えられるとまでは言えないが、暑い中で身体を動かすことには幾分慣れたのだろう。
 店内は麺釜、スープ釜や食洗機などから立ち上る湯気などで蒸し暑いとはいっても、建物の中なので強い日差しを直接浴びるよりは、遙かに楽だ。

 問題は夜だった。19時からの5時間は長く感じた。
 働き初めてすぐに5人組のお客が来店した。ラーメン5杯と餃子1枚の注文を一緒に働いていたパートの女性、せいこちゃんが受けた。自分もお客が餃子を1枚と言ったのを聞いていた。
 すぐに餃子のタレ皿を持って行き、餃子の注文数を自分が確認すると2枚だとお客たちが言う。急いで1枚の餃子を追加で焼いた。
 その様子を見ていたマコちゃんは次のように言い放った。
「ファインプレー、ファインプレーだよ、マスヲさん」と。
 何がファインプレーだ、アホらしい。こちらが馬鹿にされているか、茶化されているとしか思えなかった。

 その他にも自分を苛つかせる、彼の言動は続いた。今年はハゼ釣りに行ったかと、尋ねてきたのだ。
 お前にマネージメント能力がないために、土日ともに出勤を続けているせいで、行けるわけがないだろうと、心の中で叫んでいたが、もちろん口には出さなかった。

 20時を過ぎると夕食になる賄いを食べた。食後に薬を飲んでいたら、彼はまた信じられないことを口にした。
 自分が精神安定剤睡眠薬を服薬していることを他の従業員から聞いたのだろう。
 そういう薬は飲まない方がいいと。彼の知っている人物が服薬が常習となり、最後は精神科に入院して狂い死にしたと。子供が作ったような、とんでもない話を真面目な表情で話し出したのだ。
 唖然としたまま自分は聞いていた。横にいたパートのせいこちゃんは、どのような感情で聞いていたのだろうか。明日、会うので聞いてみたい。

 マコちゃんは明らかに診療内科や精神科に通院している人を蔑視している。彼のような人間が居るからこそ、差別はなくならないし、みおちゃんこと水田代議士のようなマイノリティな人たちを認めることが出来ない人を選挙で選んでしまうのだろう。国民の代表として。
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 昨夜は日曜日の夜の割に、お店は繁盛していた。日曜日は土曜日に比べると、遅い時間になるほど客の入りが悪くなるのが普通なのに。
 そんな中、21時30分を過ぎたころに、4人組のお客が入店した。祖母と親子3人のファミリーのお客が。子供はまだ、会話もできないほどの幼児だった。
 彼らはなかなか帰ろうとしなかった。22時30分を過ぎても。子供は自分に与えられた器やフォークなどを何回も落とした。早く家に帰りたいという、子供なりのサインだということに気がついた。半人前の父親の自分でも。

 彼らがやっと退店した後に、マコちゃんはニヤニヤしながら自分に語りかけてきた。奥さん綺麗だと思わなかったかと。
 自分は呆れながらも、答えた。確かに最初は自分も、それなりの容姿だと思ったこと。だが、時間が経つにつれ、彼女の母親の態度としての方が気になったことを。
 彼はそれ以上、言葉を継げなくなったようだ。彼には子供が居ないこともあるかもしれないが。

 マコちゃんの奥さんは噂によると美人らしい。自分はお目にかかったことはないが。
 本人も、奥さんが美人なためにちょっとやそっとの容姿の女性にはなびかないと、自分はこれまでに何度も聞かされていた。
 彼はそんな美人の奥さんに、頭が上がらないらしい。彼は子供が欲しかったらしいが、奥さんが子供を産むことを望まなかったと、聞いたことがある。

 それから、数組のお客が入れ替わり来店した。店の営業時間は23時まで。最後のお客は22時50分過ぎに入店した男性で、ラーメンライスの注文だった。
 最後のお客が退店したのは、23時15分過ぎ。そこからは片付けを急いだ。
 何時まで片付けにかかっても24時までしか、時給が出ないことになっているし、早く帰宅して寝ないと翌日の本業にも差し障るからだ。

 ほぼ、2年ぶりに閉店作業を行った。大きく変わった作業はカウンターテーブルに置いてある、辛子の入った真っ赤なニンニクの扱いと食洗機が導入されたことだ。
 以前、夏になると毎日廃棄していたニンニクは翌日も使うことになったために、空の丼に集めてラップをかけて冷蔵庫にいれることになっていた。
 また、食洗機が導入されたことにより、閉店作業時に多量に出る洗い物が楽になったことだ。
 ただ、最後に食洗機自体を分解して洗浄する作業だけは必要だったが。

 何とか、日付が変わる前に全ての作業を終えた。お世辞か本意かはわからないが、マコちゃんは自分に一言かけてくれた。早いじゃん、と。
 ビニールの前掛けを外して、お客が座るカウンターのスツールに座って、ペットボトルに入った炭酸飲料を飲んだらほっとした。
 終わったら帰っていいよ、と頼りない店の責任者に言われたが、日付が変わるまでは座っていた。後日、何を言われるか安心できないからだ。
 店の時計とスマホで時間が24時を過ぎたのを確認して、店を出た。

 駐車場に向かって歩きながら考えていた。マコちゃんと夕方一緒に働いた数時間で、何かしら自分は得たかもしれない。
 だが、それでも次のような思いが溢れて止まらなかった。何をしていたのだろう? ここで何をしていたのだろう、と。
 すると、何かが聞こえた。耳を澄ますとコオロギだった。弱々しいというか、恐る恐る楽器を演奏しているようなコオロギの声が。
 確実に夏は深まっていき、秋も近づいている。そして………。