淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

鈴虫と一輪の花火

 ここ二、三日は急に過ごしやすくなってきた。エアコンをかけずに窓を開けて寝ている日が続いている。
 昨夜は、明け方に少し肌寒さを感じたほどだ。明け方の気温を確認すると、22℃。納得した気温だった。ちなみに、明日の予想最低気温も同じ22℃だ。

 秋の気配を感じはじめたのは、自分だけではないことを予想していた。何故か? それは副業先のラーメン屋の忙しさに関わってくるからだ。
 開店直後はそれほどでもなかったが、正午が近づくにつれて、入店客が増えだして待ちの客が増えた。
 一緒に働いたメンバーが良かったので、それなりのペースで仕事を回していても。
 6月に行われた創業40周年のイベントを除くと、ここ数ヶ月で一番忙しく感じた。

 コンビニのおでんが一番売れるのは真冬ではないことを知ったときに、驚いたが納得した。一番売れるのは、冬ではなくて秋口であることを。
 急に体感温度が下がったときに、人は暖かい食べ物を求めるらしい。
 ここ数日の夕方から夜間はコンビニでも、おでんがよく売れていることだろう。

 どんなに店が売り上げて会社が利益を上げても、自分には何も返ってこない。バイトなので、時給契約だからだ。1時間につき、1,060円しか。
 多少、社員には悪態をついたりはしていたが、お客に対する接客態度を変えてはいない。
 それはそれ、これはこれで、自分なりに区別は出来ているつもりだからだ。本業と違って、自分が好きでしている仕事だから。

 ただ、正直かなり今日のバイトは疲れた。暑くてもお客が少ない方が楽なのだ。
 暑い方が身体に負担はかかる。だが、自分が働いているラーメン屋は伝票がないために、お客の注文などを暗記しなくてならないからだ。
 妻とまだ会話があったころに、彼女に次のように言われたほどだ。私には無理、と。
 あってはよくないことだが、今日のような忙しい日には多少の注文の間違いが起こってしまう。気はもちろんのこと、記憶しなければいけないので、頭も疲れるのだ。

 帰宅して、録画しておいたテレビの録画番組を見終わると気持ち良く居眠りできた。
 目が覚めると、川向こうにあるスーパー銭湯に出掛けた。その銭湯は自宅近くのところよりも、炭酸泉の炭酸が濃いところが自分は気にいっている。

 入館するときにも気がついていたが、鈴虫の音が受付で聞こえた。あまりにも綺麗な音だった。
 帰りにCDか何かの演出かと思って受付の女性に聞くと、笑顔で指さしながら答えてくれた。本物ですよ、と。
 彼女が指さした先の玄関脇には、大きな飼育ケースが置かれていた。
 鈴虫の音もよかったが、彼女の笑顔もチャーミングだった。

 玄関を出て、駐車場に向かった。車に向かう途中、耳を澄ますと、どこからともなく花火の音が聞こえてきた。
 音の方向を見やると、空の低いところに一輪の花火を見ることが出来た。すぐに散ってしまったが、印象は強く残った。
 この夏の、最初で最後に見た花火になったかもしれない。