淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

天一を探して 【秋の二都旅行 その5】

 自分たちがおばんざいの店で会計をしようとするころ、若い女性が1人で入店してきた。彼女は自分たちの近くに座った。
 店員と親しげに話していたので、友人は興味を引かれてその会話に耳を立ててしまったらしい。
 友人が聞いたところによると、彼女はこの店を訪れたのはその夜で4日間連続らしい。

 会計を済まして外に出た。店を出ると友人がラーメンを食べることを提案した。
 一件目も二件目も友人がご馳走してくれたので、ラーメン代くらいは自分も出したいと思ったので、賛同した。
 友人が行きたい店の名を口にしたとき、自分は少し驚いた。その店名とは『天下一品』。
 京都がルーツだとは知っていたが、まさかチェーン店の名を口にするとは思ってもみなかったからだ。
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 どうやら、友人は自分を京都にある本店に連れていきたかったようだ。歩いて行ける距離であることもあって。
 本店を目指して歩くと、営業は終わっていた。気を取り直して付近の他の『天一』も訪れたが同じく閉店していた。
 名古屋市内や名古屋近辺の『天一』はそれなりに遅くまで営業していたので、意外に思えたし残念だった。

 友人宅に戻るための終電時間も近づいてきていたので、諦めて河原町駅近くの他のラーメン屋に入ったが他に客はいなかった。週末の夜なのに。
 少し嫌な予感はしたが、ラーメンの味は及第点だった。酔っていたせいもあるかもしれないが。

 何とか友人宅に向かう終電に間に合った。以外と早いので、詳しく聞いて見ると電車はもう少し遅い時間まであるが、駅からのバスが間に合わなくなるとのことだった。
 酔っていたので、降りた駅名はまったく覚えていない。ただ、駅前のバス乗り場に人が多くいたのが今でも印象深い。
 普段、自分は終バスというのに、縁遠い生活をしているからだ。終電にはよくお世話になっているが。

 乗車したバスは京都の市バス。乗り場に居た人間が多かったので、バス車内も当然混み合った。
 そんな中でも乗車中にあることに気がついた。途中で乗車料金が変わることに。
 名古屋の市バスは乗車距離の長短によって、料金は変わらないので、少々驚いた。

 だが、考えたら当たり前のような気がしてきた。乗車距離に比例して、乗車料金が加算される公共交通機関がほとんどだからだ。
 名古屋の市バスもそのように料金システムを改めてもよいような気もした。
 収支が改善して、バスの運行本数を増やしてくれれば、利便性も上がるために乗車率も上昇する、良い循環が産まれるかもしれないからだ。

 酔っ払いながらもそんなことを考えていたら、バスの車内が少しずつ静かになっていく。乗客の大半が降りたころ、友人宅のバス停だった。
 降りたバス停のまわりにはほとんど灯りがない。暗闇の中、マンションや住宅が見えた。どうやら、新興住宅地の真ん中のようだ。
 暗い住宅地の道を友人に続いて歩いた。(つづく)