淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

名MC

 自分が所属している同人誌が、創刊から来年で25年。同人誌は年に4回発行されているが、来年には100号を迎える。
 そのことを祝して、来年の夏に結婚式場でパーティーをすることと、そのパーティーのお手伝いとして、自分が司会をさせて頂くことが昨日決まった。

 同人誌の例会後には、居酒屋で二次会と称する呑み会が開かれる。昨日の例会後は、いつもより気分良くお酒が進んだ。ある人物が同人に戻ってきてくれたからだ。
 その人物とは男性で、年齢は自分のひとつ下。自分の書いた作品を彼に読んでもらいたいことも、自分が同人誌に出戻った理由のひとつだった。
 実際、自分の作品が掲載された回の同人誌を送付すると、彼は読んでくれたばかりか、丁寧な批評までしてくれた。

 二次会では彼と並んで座ってグラスを重ねた。小説にはあまり関係のないことも、いくつか話題にしながら。
 彼とは職種が近いこと。また、彼が自分の義兄の大学の後輩になることもあって、話題にはこと欠かないのだ。
 妻の実兄は、地元の国立大学で准教授を務めている。義兄とは会う機会も少ないが、たまに顔を合わせても教養のレベルが違いすぎるせいか、あまり話が弾まない。

 気分の良いままに、二次会はお開きになった。時間はまだ21時を過ぎたばかり。気持ちもよかったので、1人で寄り道をすることにした。行き慣れているガールズバーに。
 店の扉を開けると、日曜日のわりにはカウンターのスツールに客が目立った。
 カウンターの隅に座っていた客が帰宅するようだったので、自分が入れ替わるようにそこに座った。

 座った途端に隣の客が、いきなり話しかけてきた。この席に座ったら餃子を食べなくては行けない、と。
 間接照明の店内でも、言葉をかけてきた客が酔っているのがはっきりとわかった。ほろ酔いの自分でもわかるほどに。
 彼はお土産として持ってきた餃子を、ボーイと女性スタッフと自分のそれぞれの口に強制的に運んだが、誰ひとり拒絶しなかった。なんとなく、場の雰囲気を彼が作り出していたせいだろう。
 餃子を持ち込んだお客は、近辺で餃子を売りにしているお店の店長のようだった。

 ラーメン屋で毎週餃子を焼いているだけでなく、気になる店があれば食べに出かけるし、自分でも作るほどの餃子好き。自作するときには送料を負担してまでも、通販で皮を取り寄せるほどだ。
 そのせいかいつの間にか、店長と熱い餃子談義が始まった。日曜日のガールズバーで、見知らぬオッサン同士の。

 彼は職業としているので熱くなるのはわかるが、今思うと単なる餃子好きの自分がどうしてムキになっていたのだろう?
 それでも、彼と自分が喧嘩にならない程度に会話を導いてくれたのは、カウンターの内側にいてくれた2人の女性スタッフのおかげ。

 帰宅するときは何も考えることなく眠ったが、今朝起きてびっくりした。非常に目覚めがよかったからだ。頭も身体も軽い。
 店長と罪の無い、力の入った会話が自分のストレス解消になったようだ。
 彼にも感謝したいが、彼との会話の舵取りをしてくれた2人が素晴らしかったのだろう。今度2人の名MCに出会ったら、お礼を言いたい。