淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

消えゆくコンフォート

 昨夜、友人と名古屋一の繫華街の錦から自宅近くのターミナル駅まで、二軒呑み歩いた。初冬の冷たい雨に時折、濡れながら。自分も友人も傘を持っていなかったからだ
 誘ったのは自分だが、呑み歩きを愉しめない人からしたら、危篤だと思われても仕方がないだろう。

 終電過ぎまで呑んでいたので、帰りは当然タクシーで帰るつもりだった。平日の雨の夜だったが、自分たちが立ち寄った二軒はどちらも人が多くて、活気があった。流石に師走、宴会シーズン真っ直中なことを感じさせた。
 雨だったし、タクシーを捕まえるのに苦労するかと思ったが、意外とすんなり小型タクシーに乗車することができた。

 乗車したタクシーは、最近街中で増えているずんぐりむっくりの車体だった。近距離では何度か乗車したことがあったが、2,000円以上の距離をこの車両で利用したのは始めてだった。
 正直、乗り心地が良いとは思えなかったし、それなりの距離だったのでセダンに乗りたかった。

 酔っていたこともあって、運転手に思っていたことを口にしてしまった。今思うと、感じが悪いお客だっただろう。
 運転手は穏やかに言葉を返してくれた。そういったことを口にするお客がいることを。
 運転手は話を続けてくれた。これから、各タクシー会社はこぞってセダンではないずんぐりむっくりのこの車両の導入を勧めることを。
 東京オリンピックを意識してインバウンド需要をより取り込もうとすると、普通のセダンの車両よりも大きなトランクなどもスムーズに積めるこの車両の方が有利だと判断しているようだ。

 運転手は自分たちが乗車した車両のことをシエンタと言っていたが、ネットで調べると正式な車名がわかった。『トヨタJPN TAXI』というらしい。
 他にも、わかったこともある。自分が今までタクシーとして乗り慣れていた、『トヨタ・コンフォート』の製造及び販売が今年終了したことも。

 自分の中ではタクシー≓コンフォートのイメージが強いので、ちょっとした寂しさを感じる。また、自分が時代に置いていかれてしまったような。
 街中を走るタクシーの一台一台が、少しずつセダンからずんぐりむっくりの車体に変わっていくのだろう。それまでにどれくらいの猶予があるのだろうか。
 コンフォートのタクシーを見かけなくなったころ、自分はどのように日々を過ごしているだろう? せめて、健康だけは維持していたいが。