淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

2018年最初の、良いお年を

 今日の日中は副業先のラーメン屋で働いた。朝は雨模様だったので、お客が多くなって忙しくなるかと思って出勤したら、それほどでもなかった。
 ラーメン屋で10年間働いた経験上、季節にかかわらず雨天などの湿度が高い日は、働いているお店のお客が増えること。人間の本能として、湿度が高い日には味の濃いものを欲するのだろう。

 それでも、13時を過ぎると待たせるお客が何組か出来た。待ち客の数を見てげんなりし、食べるのを諦めて帰って行くお客が出るほどでもなかった。
 おそらく、今日の売上金額は週末としてはそれほどでもないだろう。
 3連休なのに、サラリーマンにとって給料日前だからなのか、それとも何かと物入りの年末年始に備えているせいなのかはわからないが、財布の紐が堅くなっている人が多いのかもしれない。

 自分のバイト時間の終わり際、14時の少し前に一組のお客がカウンターの隅に座った。夫婦と乳児の家族だった。
 店の看板娘、パートのせいこちゃんが幼子を抱いた母親へしきりに話しかけていた。
 せいこちゃんに言われて初めて気がついた。その母親は以前、自分とも一緒に働いたことがある従業員だったのだ。

 彼女が働いていたのは何年前だろう? ある男性と離婚した直後だったことだけは覚えている。自分よりも一回り以上は年下で、タイプとしては可愛い感じだった。
 そんな彼女を愛知県民の男子が放っておくことはなく、2、3年後に別の男性と再婚したことは噂に聞いていたが、子供まで授かっていたのは知らなかった。

 ちなみに、愛知県は日本一結婚適齢期の男女比率の悪い県らしい。二次産業だけが歪に発展しているために、圧倒的に男性が多いのだ。
 そんな地域で今は妻との関係が破堤しているとはいえ、一度は結婚できた自分が不思議な気がする。

 彼女の旦那が急いでラーメンを食べて、彼女が抱いていた子供を連れて先に退店した。彼女が落ち着いてラーメンを食べてもらうための心遣いだろう。
 妻に対して自分はそんな気遣いが出来ていただろうか、随分怪しい。

 優しくて真面目そうな人だね、と彼女に声をかけるとやんわりと否定された。
 結構怒りっぽくて、しかも機嫌が悪くなると怖くなると、彼女は口にした。人は見かけによらないものだ。
 本当の夫婦仲は他人からはわからないと、よく言われるが彼女たちの間柄はどうなのだろう?

 彼女がカウンターで食事を続けている間に14時を過ぎたので、自分はタイムカードを押した。制服から普段着に着替えて帰ろうとしても、彼女はまだカウンターでラーメンを食べていた。

 自分は店の従業員にも挨拶したが、カウンターで食事を続けていた彼女にも別の言葉で挨拶をした。その言葉とは、良いお年を。
 おそらく、今年中に彼女と再会することはないだろう。

 帰宅してから、この挨拶の言葉を使ったのは今年初めてだと気がついた。いつの間にか、今年もそんな言葉を口にし始める時期にさしかかっている。