淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

鮮やかなカラス

 昨日は、いろいろな職場で定時退社日になっていることが多い水曜日。昨夜はプロパー社員だけの新年会を催すので、なるべく早く帰って欲しいと、急遽言われた。
 そんな勝手なと、思いながらも久しぶりに誘いたい相手が浮かんだ。
 それは、今の会社で一緒に働いていた元同僚だ。しかも、その同僚とは今と同じ地元の電力会社のプロジェクトで一緒だった。

 急な誘いにも元同僚は応じてくれたので、名古屋で一番の繫華街の錦三に2人で繰り出した。
 相手は年忘れのために自分と師走の夜、一緒に呑みたかったようだが、タイミングが合わなかったので結局年明けの昨日に持ち越されてしまった。
 他にも年内にグラスを交わせなかったので、年明け早々に新年会と称して呑みたい友人が何人かいる。

 同僚は一昨昨日と一昨日の仕事を休んだほど、体調が悪かったので一次会で解散した。その後迷うことなく、次の行動に移った。
 繫華街で寒さに縮こまって動かないタクシーに乗り込んだ。1人で呑むために次の店へ。一応、口実もあった。
 今週末、写真ばかりでなく動画も撮影することが趣味な友人に、自分にとって大事な写真を撮影してもらうことを依頼していたからだ。その写真は遺影の候補ではない。
 自分が所属する同人誌の賞を受賞することになったことは何度か書いてきたが、そのことが同人誌で発表される際に自分の写真までが掲載されるので、その写真だ。

 刊行物に自分の写真が載ることはうれしくないが、開きなおることにした。どうせなら、自分の好きなシチュエーションで撮った写真から選ぼうと。
 白黒でそれほど大きなサイズではないので、同人誌に印刷されたところで、誰からもさほど興味はもたれないだろう。だったら、自分だけの思い出になればいいと。

 その写真の撮影場所は、受賞作の中で舞台とさせてもらったモデルの場所。自分が度々呑みに行くガールズバーだ。
 その場所で写真を撮ってもらいたいと考えても、先方の許可は当然必用だと考えたからだ。その了承をもらいに行くことにした。

 自分が店の扉を開けると、店内は静かだった。客も少なかったが、女性のスタッフもここ最近では少なかった方だった。
 落ちついた雰囲気の中、一番年長の女性とボーイに自分の我が儘な希望を話すと、2人はあっさりと了承してくれた。
 そのあとはくつろいでお酒を呑み、気がつくと日付は今日になっていた。
 帰宅はタクシーで自宅まで。最寄り駅の駐輪場に自転車を置きっぱなしにして。

 おかげで、今朝は駅まで走った。微かにアルコールが残っている身体で、曇っている冬空と冷え込んでいるアスファルトの間を。
 通勤電車を降りて、現場オフィスに向かう途中の歩道橋で真横を見ると、街路樹にカラスが留まっていた。樹にしぶとく残っていた木の実をつついていたカラス。バランスを崩す度に、翼を広げた。灰色の朝の街をバックに翼を広げたカラスの黒が鮮やかに映えた。
 灰色と黒のコントラスト、カラスのどちらにも今まで少しも心が動いたことがなかったのに。どうしてだろう?