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※昨日の記事の続きです。
講座が終わって地下鉄に乗り、本町を離れたあとにとんでもないことに気がついた。カメラをオリンパスプラザに忘れていたのだ。
電話で確認すると、白い自分の愛機はプラザのカウンターで預けられているようだったので、本町まで引き返した。
再び地下鉄の本町駅から地上に出ると、お昼が食べたくなった。本来ならばこのあと、次の予定を入れていた。
あまりにもタイトなスケジュールのために、昼食を食べる時間を省いていたのだが、そのあとの予定をひとつ諦めて、代わりに食べたいものを楽しむことにした。
食べたかったのは、『中華蕎麦 葛』の『出し蕎麦』。
前回、オリンパスプラザでカメラとレンズのメンテナンス講座を受講した後に食べた美味しさが忘れられなかったからだ。
前回同様、店の前に客は列をなしていたが前よりも列の進みは遅かった。前回は平日で客層はサラリーマンばかりだったが、今回は週末だったこともあって客層はカップルや家族連れが目立ったことも、原因だったのではないか。
サラリーマンは仕事中だけでなく、お昼休みまで時間に追われているからだろう。 今回はお腹が空いていたこともあって、大盛にするか替玉にするか迷ったが、後者に決めた。値段が50円安かったことと麺が高加水ではなかったので、伸び易さも考慮したからだ。
だが、この選択は間違っていたように思う。この店の『出し蕎麦』のスープは麺にからみやすいために、麺だけを食べてもスープが結構減ってしまうからだ。
三度訪れる時は、迷わず大盛にするだろう。 お腹を満たすと、オリンパスプラザに戻った。カウンターで自分のカメラを受け取ると、午前中に自分が座っていた方を眺めた。
午前中と概ね似た光景だったが、一目でわかる違いがふたつあった。
ひとつは受講生の中に女性がいたこと。他の受講生の中でも一際、若かった。ぱっと見自分よりも歳下だろう。
もうひとつは、午後の講義でもモデルを務めていた肥川彩愛さんの服装が変わっていたことだ。
2人の女性が多少気になったが、自分はすぐに次の場所へ向かった。次の目的地はあるスタジオだった。そこで、ポートレートの撮影会に参加することになっていたからだ。
大阪でのポートレート撮影会に参加しようとした理由はいくつかあったが、大きくはふたつ。ひとつは東京や大阪に比べるとどうしても文化の面では名古屋は遅れがち。よって、撮影会の運営や手法、参加するカメラマンたちのレベルなども名古屋よりは高いのではないかと思ったこと。
もうひとつは、モデルだ。自分が参加した撮影会のモデルは韓国人のキムハルさん。彼女のインスタグラムと彼女を撮影していた韓国のカメラマンのポートレートを見ていたら、彼女を撮影したくなったのだ。
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以前、ポートレート教室に参加したときのモデルは在日韓国人と日本人のクオーターの女性だった。彼女は大人の魅力と可愛さを兼ね備えていただけでなく、カメラマンが求める多種多様なシチュエーションや感情を表現することに、長けていたことが印象に残っていた。
そんなモデルさんに出会って次のように思えた。
一般的な傾向として民族性の違いからか、感情を表現することは、日本人よりも韓国人の方が優れている気がしたからだ。
参加した撮影会のカメラマンは自分を入れて3人。2人とも自分と年令が近く、あたりも優しそうだった。
1人は神奈川から、もう1人は自分と同じ愛知県からの参加だった。二人に参加の理由を聞くと、モデルのキムハルさんを撮影したいというのが、一番の理由のようだった。
自分は1部しか参加しなかったが、2人は複数の部に参加していたし、自分が名古屋に野暮用があるために帰らなければならなかったが、2人はまだ次の部で彼女の撮影を続けるようだった。正直、羨ましくて仕方がなかった。
自分も野暮用がなければ、そのまま次の部の撮影会にも参加して彼女に対してシャッターを切り続けた方が、幸せだっただろう。出費する金額もほぼ同じだったし。 16時30分過ぎにスタジオから最寄りの地下鉄駅である南森町から谷町線で東梅田まで向かってJR京都線、新幹線と乗り着いで、急ぎ名古屋に向かった。
18時30分から始まる呑み会に参加するためだ。その会のメンバーは25年ほど前に、一緒にアルバイトをした仲間だった。あるファーストフード店で。最近は年に2回ほどは集まっている。
今回、自分がお金に余裕がないことを幹事に話すと、1品280円の居酒屋のお店を選択してくれた。
乗車したかったのぞみを一本逃したおかげで、自分が居酒屋に着いたのは開宴から15分ほど過ぎていた。
その日のメンバーは自分を入れて5人で、全員男性。その内の一人とは約2年ぶりの再開だった。
じつは彼には、ずっと会いたかった。彼とむかし呑み歩いた一晩が印象深かったので、その時間をモチーフに小説を書いた。
その小説は自分が久しぶりに書いたものだったし、所属している同人誌内で賞も受賞することができたので、彼にはずっと読んでもらいたいと思ってきたからだ。
その小説が載っている掲載号の最後の一冊は、彼に渡すためにずっと取っておいたのだ。
着席するなり、自分は鞄から久しぶりに会った彼に同人誌を手渡すと、受け取ってくれた。
ことの経緯を話すと、賞の賞金で奢って欲しいと弄られたが、それくらいは仕方がない。
半分冗談だが、彼に奢るのならばその作品に出てくるヒロインのモデルには、それ以上に奢らなければならない。
だが、その彼女と自分はもう別の道を歩いているために、会うことはないだろう。
宴の最中、2年ぶりにあった友人を中心にして、皆が自分を変わったと言う。そう言われることにも最近は慣れてきた。
ひとつは、痩せたこと。もう、ひとつは落ち着いたことだ。
だが、昔からの知己である彼らにとって、今の落ち着き払った自分に違和感があるらしい。特に二年ぶりに会った彼から見たら、全く面白くなかったようだ。死んでいるのも同様だとも、何回も言われた。
だが、自身では今の自分の方が前の自分よりもずっと好きだし、好きになれるように行動しているのだから、当然と言えば当然だ。
複数人で呑んでいるときにはしゃいでいること、勢いがあることが彼らからみた自分の面白さだったらしいが、それらを今の自分に求められても正直、キツイ。
彼らも面白くなかったかもしれなかったが、自分だって素直に面白い時間だったとは言い難かった。
死んでいるのも同様だと、言われた身にもなって欲しい。いくら酒の席の冗談とは言っても。
5人で酒を呑んでいたが、独りで考えていることが多かった。その日の午前中から大阪で過ごしたこと、そして次の日の予定のことを、だ。
次の日の早朝というか、日付が変わってすぐに昔からの友人たちと、海釣りに向かうことが決まっていたからだ。久しぶりの海釣りだったこともあるが、今までと違う楽しみを釣りで経験できることもわかっていたので正直、早く帰りたかった。
身体も休めたかったし、その日に撮影した写真のデータの整理とバッテリーの充電などのカメラのメンテナンスを行いたかったからだ。
21時くらいで一次会は終わった。誘われていた時から、二次会には行かないと宣言していたので、その通りのことを店の外で皆に話すと、もう1人も二次会には参加しないで自分と一緒に帰った。
一緒に帰った友人は自分より二歳上。彼が今の自分をどう思っているかはわからない。ただ、確かなことは今の外見は彼の方が自分より若い。
むかしだったら、そのことに対して羨ましがったり僻んだりしただろうが、今の自分にはそんなところは全くないことに、この文章を書いている今になって気がついた。