次の仕事の話で豊田市へ赴いた昨日。朝の9時20分に豊田市駅最寄りのオフィスビルの1Fで関係者と待ち合わせの約束をしていた。
そのためには自宅を8時前に出なければならなかった。オフィシャルな用でそんなに早く家を出るのは、かなり久しぶりのことだった。
仕事を辞めてからは、かえって早起きの習慣が身についているのでそれほど苦痛ではなかったが、正直あまりいい気はしなかった。
名鉄瀬戸線で新瀬戸駅まで向かい、そこで愛知環状鉄道に乗り換えた。最後に愛知環状鉄道に乗車したのは、豊田スタジアムで名古屋グランパス8の公式戦を友人と観戦して以来。それから3年以上が過ぎている。
その時、一緒に観戦した友人とは今年の春に電話で口論になってからは、会っていない。その時はただ相手のルーズさが許せなかったが、今はどちらも悪いとは思っていない。
ただ、お互いにそれ以上の付き合いを続けるかのターニングポイントなだけだった気がする。
愛知環状鉄道に乗ってから豊田市駅までは駅数も多く、乗車時間も長いので、手持ち無沙汰になりがちだ。
そのせいかぼんやりしていると、脈絡もない考えや思いが、窓から見ている景色のように、ただただ通りすぎていく。 第三セクターの交通機関としては成功モデルとして扱われている、愛知環状鉄道。だが、自分にとっての愛知環状鉄道にはあまり良い印象はない。
今回の話がまとまれば、毎日この電車に乗ることになる可能性が高まることだけは、確実なのだが。
9時過ぎには豊田市駅に到着して、待ち合わせ場所には約束していた時間よりも10分以上も早く着いてしまった。朝とはいえ、愛知環状鉄道の本数が少ないこともそうなってしまった理由のひとつだ。
9時30分からの仕事の話は30分もかからなかったが、感触は悪くなかった。ひょっとしたら、来月からは尾張に住んでいる自分が、隣国の三河まで通勤することになるのかもしれない。
そんなことをぼんやりと考えながら行きと逆方向の愛知環状鉄道に乗っていると、あることを思いついた。気分を変えるためにも、少し遠回りして帰ることを。
八草駅で愛知環状鉄道を降車して、リニモに乗ることにした。愛知万博のためにできたリニモだが、今まで乗ったことがなかったからだ。
初めてのリニモは思ったよりは乗客がいた。ただ、それもあくまで愛知環状鉄道と比べればというレベル。営業キロ数に比べ、割高感を感じる愛知環状鉄道と同じレベルの乗車率だと、営業的には厳しいのではないか。
リニモに乗った乗車感はこれといって特別なものはなかった。あえていうならば、走行時の音が少し静かだったかもしれない。 リニモに乗って改めて思う。この交通機関は本当に必要だったのかを。
ある芸術祭に税金が投入されていることに関しての是非が沸き起こっているが、リニモの建設や万博に関して、税金が投入されたことについての是非は、今となってはほとんどどこからも聞こえてこないのが、自分にとっては不思議で仕方がない。