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※ 昨日の記事の続きです。
日曜日の朝、いつも通りに夜明け前に目が覚めたが、目を閉じるとまた、まどろむことができた。起床予定の時間までに何度も目は覚めたが、目を瞑るとその度に浅い眠りにつくことができた。
そんなことを繰り返して、7時前には布団を畳んだ。着替えて荷造りをして、朝食予定時間の8時を部屋で待っていた。朝食は部屋食になると、昨晩に説明を受けていたから。
だが、8時を過ぎても配膳されなかったので、部屋があった3Fから1Fまで階段で降りてフロントに向かった。宿の従業員に状況を尋ねると、すぐに持ってくると返答された。
実際、自分が部屋に戻って数分後には膳に載った朝食が届けられた。焼き鮭や焼き海苔などはあったが、おかずに納豆はなかったことに、関西らしさを感じた。
朝食を済ませると、従業員にあることを頼んでチェックアウトした。宿から試験会場である天理大学までは歩いて行けるほどの距離。受検している間、車の駐車をお願いすると快く了承してくれた。
受検に不必要な余分な荷物を車に乗せてから、チェックアウトした。といっても、チェックイン時に精算済みなので部屋の鍵を返すくらいだったが。
8:40過ぎに宿を出て、天理大学へ向かった。宿から大学までの道は、時折ゆるい上りになった。学校や病院は街の中でも高い土地にありがちだが、天理大学もこの例に漏れていなかった。
お盆を過ぎて暦上は秋になったが、荷物を持って歩いていると朝にも関わらず、汗が滲んだ。それでも滲む汗は変な汗ではなかった。 スマホの地図アプリを片手に足を進めた。アプリが目的地だと告げた場所に辿り着いたので、まわりを見たがとても試験会場とは思えなかった。
キョロキョロしながら、付近を散策すると女子高生のグループがこちらに向かってきたので、試験会場である天理大学三号棟を尋ねた。
すると彼女たちも受検をするのか、同じ目的地を探していたが正確な場所がわかっていないようだった。
まわりを見るといずれも天理教の施設のようには見えたが、建物ひとつひとつが大学かどうかの区別が自分にはつかない。
途中で何回も正装していた男性や警備員に試験会場である天理大学3号棟を聞いたが、誰も自分がわかるように教えてくれなかった。
関西人あるあるなのかも知れないが、道の教え方が大雑把なのだ。その点、名古屋や東京などとは、どうしても地域差を感じてしまう。
また、天理教関係の施設が建ち並ぶ中、あちこちであたりの施設を案内している地図が目についたが、何度見ても理解できなかった。
試験は9:30からだったが、9:00までに会場入りすることが受験票に書いてあったので、時間が経つにつれて文字通りあせりだした。
最後の手段だと思って、次のところへ電話した。試験を管轄している、一般財団法人消防試験研究センターの奈良支部まで。
だが、何回コールしても電話には誰も出なかった。
TシャツにGパン姿の男性に受験会場を尋ねると、自分と同じく危険物取扱試験の受験生らしく、会場を探しているようだった。
彼は奈良県在住だと教えてくれた。さらに、自分と違って乙四種を受けることも。
彼と一緒に受験会場を探すことになった。2人である男性警備員に3号棟の場所を尋ねると、指を差しながら道の向こうとだけ言われた。
彼の指差す方には敷地内の細い歩道から、車が通れる大通りまでいくつかの道がある。自分は細い道の向こうだと思っていたが、奈良在住の相棒は大通りの向こう側だと理解していた。
先に細い通りの向こう側の建物が手前だったので、そちらに立ち寄ったが試験会場ではなかった。
彼の理解にすがるような気持ちで大通りを渡って、敷地に入ると女性の警備員が立っていた。
彼女に三号棟を聞くと、目指すべき場所をはっきりと教えてくれた。彼女が指差す方を見ると、それらしき建物がしっかりと見えていた。
ただ、彼女は自分たち2人に発破をかけることも忘れなかった。会場入りする時間が過ぎていることと、試験開始の時間が近づいていることを指摘されてしまったのだ。
三号棟に入ってすぐに、受検資格毎の部屋割りが掲示してあった。そこで、別れることになった彼が次のようなニュアンスを口にした。声をかけてくれてよかったです、おかげで一緒に会場を探すことができて、と。
彼の言葉を受けて自分はどのように答えたのか、正直憶えていない。ただ、心の中で互いの健闘を祈ったような気がする。
自分の受検会場は3Fの教室だった。教室に入ると席は窓側で、窓越しに大和の山々の緑が映えていた。
試験官らしき人物は男性と女性1人ずつ。彼らは手持ち無沙汰のように見えた。
まわりの受験生たちは、参考書や問題集などを見ていたので、鞄を自席に置いてお手洗いに行った。
お手洗いから戻ると、試験官が話しはじめた。余分な荷物を机の上から片づけること、携帯電話の電源を切ることなどを。
その後、試験官は2人で試験問題の冊子を配り始めた。いよいよ、この旅のハイライトである試験が始まる。(つづく)