淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

豊田の場末の片隅で

 今から書こうとすることは、昨夜の仕事後のこと。机を並べて仕事しているエンジニア二人と、中華料理屋で夕食を食べてそのあとにフィリピンパブに足を運び、お金と時間を無駄にした話。教訓として自分に残ったことは、会社や職場の人間とお酒を呑まない方がいいという、前からわかっていたことだけ。
 愚痴っぽいトーンで文章が続くので、興味が無い人は文章末の今日の写真だけ見て、ブラウザを閉じてもらった方がいいのかもしれない。

 ことの始まりは先月の中旬ごろまでさかのぼる。自分が参加しているプロジェクト全体の親睦会が開催され、その会に自分が参加しなかったことが発端だ。
 TOYOTA関連の人間とお酒を酌み交わしても、酒が不味くなるだけなので、当然のように自分は参加しなかった。一時的に一緒に仕事をするためだけの人間関係に貴重な時間を割くほど、自分の一生は長くない。

 いつも一緒にランチを食べているエンジニアから、お酒は嫌いなのかと聞かれたので、自分の考えを正直に話した。お金と時間がもったいないから、と。
 すると彼は自分と二人で呑みに行こうと、提案してきたので二つ返事で了承した。
 そのかわり、自分の給料日後にしてもらうことを約束して。

 その約束が遂行されたのが、昨夜だったのだ。
 彼は自分意外にも他のグループメンバー二人に声をかけたことを自分に話したが、その二人はあまり気乗りが無さそうに見えた。
 現に一人しか昨夜は参加しなかったし、本当に参加してくれるかの確認を60歳近い彼は自分に促した。異性に聞くわけではないのに、何をそんなにためらうことがあったのか、自分には理由がわからなかった。

 仕事後、50代40代20代それぞれ後半の男性エンジニアが連れ立って、雨に濡れそぼっている豊田の場末を歩いた。傘を差しながら、とりあえずお酒が呑めそうな店を探すために。
 そうして、のれんをくぐったのが中華料理屋だった。どこの場末にでもありそうな、壁や床が汚れていた店だった。味はそれなりで一品一品のボリュームがあるところも。

 中華料理屋に滞在した時間は1時間ちょっとだったと思う。自分はともかくとして、他の二人はそれほどお酒が進んでいたとは思えない。
 会計をしたら合計で8,000円を切っていた。会計時に一番年長の彼が取り仕切り、自分と一番若いエンジニアからそれぞれ千円札二枚を受け取った。
 河岸を変えることになったのだが、今振り返るとここで帰っておけばよかったと思わずにはいられない。

 宴会部長と化した年長のエンジニアに背中を押されるがまま向かった先は、フィリピンパブ。三河の国、豊田にもそんな店があったとは恐れ入る。
 それよりもびっくりしたのは、率先して自分たちを誘った彼の顔を、店の従業員が見るとほぼ全員に緊張が走ったのだ。彼がどれほど店で特別扱いされているのかが、その瞬間にはっきりと気がついた。

 店内はまだ空いていたこともあったが、店の中で一番の上席に通された気がした。ただ、上席と言ってもボックスのシートは汚れているだけでなく、ところどころ避けていて、隙間からは緩衝材が顔をのぞかせていた。
 その店の常連だった彼は、かつて指名嬢が居たらしいが、それも昔話になったようだった。最初は3人とも誰も指名をしなかった。というか、自分と若いエンジニアはその店に訪れたのは初めてだったので、誰かを指名するのはおかしな話だろう。

 フリーでそれぞれに女性が隣に座った。自分の隣に座ったのは、30代後半から40代前半に見えた。それでも、白人系の顔立ちですらりとしていて、スタイルもよかった。ただ、照明を落としてある店内でも彼女の肌の質感から、それなりに人生を重ねてきたことが否定できなかったのが、残念だった。
 たまには、自分と歳の近い女性と話ながらお酒を呑みたい夜もあるが、昨日はそんな気分ではなかったのだ。
 どうせ安くはないお金を支払うことになるのなら、若くて可愛らしい女性に隣に座って欲しかった。最近は仕事のことで精神的に疲れきっていたからだ。

 彼女のことを聞き出すと、出身はフィリピンではなかった。東南アジアでもなく、ルーマニアだということを教わった。言われてみれば、東欧的な顔立ちだったかもしれない。
 指名をお願いされたが自分ははっきりと断った。だが、一緒に訪れていた二人はそれぞれに女性を指名していたのには驚いた。
 それだけでなく、宴会部長からは自分も誰かを指名するように言われたので、消去法である女性を指名したが、全く気乗りはしなかった。

 宴会部長に仕切りを任せていたら、最後にはフルーツ盛りまで出てくる始末。終電が近くなったこともあって、自分は帰ることを口にした。
 会計をして驚いた。店の顔である彼がある程度は負担してくれると考えていたが、全くの均等割にされたこと。また、総額が45,000円だったことも。
 全く気乗りしない夜遊びで、一瞬のうちに20,000円近い小遣いが消えてしまったのだ。思わず、ため息をつきそうになったが、なんとかこらえた。

 夜遅くなったために、大回りして何本かの電車を乗り継いで帰宅する途中、考えていた。宴会部長と化した彼が、中華料理屋でビールのグラスを傾け始めたころから、彼が武勇伝的なことを口にしていたことを思い出して。
 あるジャンルや物事に対して優れている人物のほとんどは、自分からそのことに対して語らないことを。

 またさらに、職場で新しく知り合った人間とはお酒を控えることになるだろう、きっと。面白くなかっただけでなく、痛い出費と辛い時間の浪費を味わったのだから。

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今日の写真のモデルは初登場、中嶋乃蒼さん。実は、彼女に会ったのは今日で二回目でした。