映画化された『マチネの終わりに』を観てから、ある思いが自然に沸いた。
その思いを実現するのは途方もないことなので、しばらくは誰にも話していなかったし、このblogにも綴ってこなかった。
だが、日曜日にイエティに行った際に同行した友人に気を許していたのか、口にしてしまった。
すると意外な反応が返ってきた。馬鹿にされるか、呆れられるかのどちらかでもおかしくなかったのに。
彼女からすると、自分がそのような思いを抱くのはごく自然だと感じていたようだ。
映画を観てから、自分が新たに興味を持ったのは映画を撮ること。あまりにもスケールがデカいので、彼女に話すまでは誰にも話してこなかった。
小説を書き、カメラで写真を撮るようになったら、映画を撮りたくなるのは自然の成り行きだと、彼女は感じていたらしい。
高校生時代の3年間、放送部に所属していたマスヲ。
毎年、NHKが主催するコンクールが近づくと、部員はTVかラジオの班にグループ分けされたが、マスヲはずっとTV班に所属していた。ビデオカメラを回したり、撮影した動画を編集やミキシングを主に担当していた。
学年が進むにつれて夢中になって活動していたが、最近になってこそ思う。もっと違う視点を持てなかったのだろうか、と。
もっと頑張れたはずとも思ったが、人間の熱量には限界があるし、そのころの自分は部活動にはかなりのエネルギーを費やしていた。怠惰な人間にとっては、あれ以上の頑張りは難しかっただろう。
部活で動画を撮影していた時は、ホワイトバランスと簡単な構図のことくらいしか考えていなかった。
OB会もあったほどなので、OBやOGがなにかと世話を焼いてくれた、当時の放送部。
先輩の中には、地元の放送局にカメラマンとして勤務していた人もいた。
カメラマンになった先輩は、結構な頻度で部活に顔をだしてくれてはいたが、高校生だった自分が彼から何か得た記憶は残っていない。
被写体をビデオカメラで撮るにしても、広角側で寄ってとるか望遠側で離れて撮る時の違いくらいは教えてもらっていてもよさそうな気はしているが、先輩自体も仕事でカメラを使う時にそれらのことを意識していなかったのだろうか。
ご教授されてはいたが、自分の学習能力に問題があったのかもしれない。
映画に対して今までなかった好奇心を抱いてからは、TVドラマの見方も変わってきた。映画ほどではないが、カメラワークが気になりだした。
アマチュアであっても小説や漫画などの創作をし、カメラを触るのにも興味を持った人は、映画を撮りたくなる確率が高いのだろうか。
もし、そんな人と知り合えたら、一緒にグラスを傾けてみたいと思っている。