昨日はまず、朝から知多へ赴いた。次の仕事についての面談があったから。
面談場所は、私鉄の普通電車しか停まらない駅から5分ほどのところにある、工場内の事務所だった。
その工場までの通勤時間が80分はかかること。現場で必要とされるスキルが自分とピッタリではなかったが、とりあえずは話を聞くくらいのつもりだった。
その現場であれば、12月の最終週に着任できそうだと、自社の営業から言われていたこともある。
12月中に一日でも現場で働かなければ、年明けの1月に自分へ支払われる給料が6割となってしまうからだ。
面談を受けはじめると、その現場に対して好感を抱きだした。面接官だったベンダーの社員たちは穏やかだっただけでなく、自分たちの会社が客先で仕事を続けてきた経緯や、現在の状況などを事細かく説明してくれたから。
自分たちの業界での現場面談でよくあるような、スキルの揚げ足を取られるようなこともなかった。
そればかりか今月中に自分が一日でも働かないと、来月の収入が激減してしまう事情を話すと、その点も配慮してくれそうだった。
会社の締めが25日なので、勤務日が二日間になってしまうが26日から出勤できるように、前向きに検討してくれると言う。
ホッとして駅に向かって電車を待った。
電車がホームに停まったので乗り込むと、朝来た時と違って空いている車内。ペアシートに一人でゆったりとしながら、うたた寝をしながらターミナル駅に向かった。
夕方から別の面接が名古屋市内の繫華街で約束されていた。迷ったが、一旦帰宅することを辞めた。
街中で買い物したり、カメラ片手にブラ歩きして時間を潰すことにした。 約束の時間前に他の会社の営業との待ち合わせ場所に向かうと、見覚えのある男性が一人を連れて現れた。
その男性は自社の支店長だった。時間が無いので夕方の面談には顔を出すことができないと、メール連絡を受けていたので違和感を覚えた。もっとはっきり言うと、怪訝に感じた。管理職なのに、自分の時間管理もできないのかと。
支店長は連れていた男性を自分に紹介した。先週入ったばかりの営業社員らしい。
話題はすぐに、自分が午前中に受けた面談へと移った。相手にも悪い印象を与えていないこと、そればかりか今月中に自分が着任できるように取り計ってくれそうなことも。
すると支店長は思ってもいないことを、自分に対して口にした。
今朝受けた面談と今から受ける面談の両方の結果について、自分に下駄を預けて欲しいと。わざとらしい表情を作りながら。
支店長からこの言葉を聞いたのは二度目。入社して最初の現場へ着任する時も同じセリフを彼は口にし、試用期間中であった自分は致し方なく従った。
今回はその場ではっきりとNoと言えばよかったはず。そうできなかった自分が悔しいし、情けない。
その後に受けた面談相手に自分はいい印象を抱けなかったが、先方はそうでもなかった気がしている。
その現場での作業は来月から。支店長がそちらを選べば、自分はひもじくなってしまう。
社畜だから、仕事を選べないのはわかってはいる。だけれど、どこにもぶつけられないやるせなさは、どうしたらいいのだろう?