前の前に勤めていた会社の同僚から誘われたので、呑みに行った昨日。
同僚と落ち合った場所は、名古屋で一番の繫華街である栄。栄のドンキホーテの前で18:30に待ち合わせをした。
自分は昨日からシステムエンジニアとして、新しい現場に着任した。その作業場所は知多市にある工場。最寄りに私鉄の駅はあるのだが、普通電車しか停まらないので、通勤には面倒な場所だ。
そのために、同僚と約束した時間に間に合うかが気になったが、なんとか間に合った。
久しぶりに会った同僚は自分よりも年上。50代の中ごろだったような気がするが、正確なことは覚えていない。バツイチで、健在な両親と名古屋市北部の郊外に住んでいることは覚えていたが。
昨夜は落ち合ってから、グラスを傾ける店を決めることになっていた。小雨の降る中、ドンキの前で合流してから行く店を話し合った。
鍋を食べたいと彼が言ったので、待ち合わせ場所からほど近い、お店に足を向けた。その店は鍋料理の食べ放題のコースが有名なチェーン店だった。
週末ではなかったが、師走もクリスマスを過ぎていたので街も店も景気がいいかと思ったが、思ったよりも賑わっていなかった。
おかげで予約が無くても、すぐに座ることができたが。
グラスを傾けている最中、ほとんど自分が聞き役に回った。彼は自分も従事している業界のこと、その業界で働いている人たちの人間性について愚痴りだした。
ある程度はうなずける部分もあったが、100%のシンクロはできなかった。
何故か昨夜の彼の話は、どこかで異性に対する寂しさを感じた。
たまには街中に呑みに来ないと行けない、というようなことを何度か口にしていたことが、そのことを象徴していたかもしれない。
最近の自分は、フィリピンパブ、キャバクラやガールズバーなどのナイトタウンのお店に対して、興味をあまり抱かなくなったと話すと、少し寂しそうな表情を彼が浮かべた気がした。
料理のコースが時間制限付きの食べ放題だったので、2時間ほどで追い出されることになった。
「帰る?」 と同僚は僕に聞いてきた。
だが、それ以上に彼の眼差しが強く訴えてきた。女性と会話が楽しめるようなお店で呑みたいと。
彼の本心に折れて、河岸を変えた。名古屋で一番、虚栄に満ちている夜の街である錦三に歩きだした。雨が強くなるなか、二人のオッサンが傘も差さずに。
辿り着いたお店には、ボックスとカウンターの席があった。ボックスは数多くあったが、お客が誰も居なかったのでより広く感じた。
自分たちにはそれぞれ二人の女性がついたが、彼女たちにはあまり関心を持てなかった。
それよりも後から、カウンターに座った一人の客の方に興味を持った。その客が、お店のスタッフと同伴で訪れていたから。
若いころ、あるキャバクラで働いていた大学生に入れ込んでいたことがあったマスヲ。その彼女とは、何度か同伴した。
自分と同じくらいの年齢に見えたその客と、若き日の自分を重ね合わせて見ていた。
昨夜、彼は彼女と何度目の同伴だったのだろう? 彼が同伴した女性は、彼女で何人目なのだろう?