淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

肌で感じる

 灯油の巡回販売をはじめてからはつくづく思い知らされている。自分が想像できることなんか、たかがしれていると。
 頭で考えるよりも、肌で感じることの方がどんなに大事かを。

 一週間ぶりに木曽川長良川の橋を渡って岐阜県に入ると、人々の様子はあきらかに違った。
 コンビニを利用してもマスク姿の人は目立たなかった。
 自分が灯油を販売したお客も、マスクをしていた人は僅かだった。

 曇り空の中、高齢化の波が押し寄せている住宅地でハンドルを握り、ポリタンクに給油し、それを持ってお客の玄関先まで走る。
 そんなことをひたすらに繰り返していると、TVでここのところ見続けていた新型コロナウィルスのニュースが、よそ事のような気がしてならなかった。
 それよりも印象深い話をお客に聞かされたこともある。

 今日現在の統計を見ると、新型コロナウィルスの患者は自分が住んでいる愛知県では26人。岐阜県ではたったの1人。
 人口で除算しても次のようになる。26/7,410,000≓3.5と1/2,000,000≓0.0000005。
 あきらかに圧倒的な差がある。

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今週、通勤時に撮った一枚。
 三寒四温だった先週。
 今日は曇り空で午後からは時折、小雨がパラついたが、寒いとは思わなかった。風が強くふきつけることもなかったから。
 ただ、自分から灯油を買ってくれたお客たちの多くは寒がっていた。

 新規のお客もそれなりに目立ったし、ゆったりとローリー車をながしていると、お客に呼び止められたのが一度や二度ではなかった今日。
 直接自分に声をかけてきてくれたお客の中で一番印象に残っているのは、ある老女。市営住宅が立ち並ぶ中で自分を呼び止めた。10リットルだけでも販売してくれるかと、彼女は口にした。

 この仕事を始めてから、一番小口の客になってくれた彼女。
 給油が終わると、ポリタンクを手渡しながら販売金額を自分が口にすると、一枚の千円札を差し出しながらお釣りは要らないと彼女は言った。
 数十円のことだったが、自分は彼女に支払った。

 彼女が住んでいるエリアだけは、同じ職場の人間が他の曜日に巡回している。
 自分が担当している他のエリアは、同じ会社の人間は誰も担当していない。
 彼女はその担当者のことを次のように言った。以前、販売手数料を請求されたと。
 その場を目撃した訳ではないので、真偽のほどはわからない。

 ただ、同じ会社の人間のことをお客が悪く言ったのを自分はこれまでに結構、聞かされている。感じが悪いだとか、ローリー車でスピードを出して運転しているなどなど。
 自分も同じように悪く言われているのだろう、と思っていた。
 善者にはほど遠い自分だが、年老いた人たちから端金を巻き上げようとは考えたことはない。少なくとも今までは。

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今日の写真のモデルはrikakoさん。