淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

春の冷たい雨に濡れても

 自宅の居間に座って、昨日のことを文章にするために振り返った。
 なんでもないような日だったけれど、いろいろなことを感じたり、考えたりすることができた日だった気もする。
 それを自分の中で上手く整理できないだけで。

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ある日の通勤時のワンショット。
 天気予報通りに朝から雨だった。山沿いでは雪が混じる可能性も報じられていたので、雨でよかった。濡れるには冷たい雨だったが。
 昨日は土曜日だったので、雨に打たれているフロントガラス越しに、朝の八時から住宅地でポリタンクを探していた。

 雨が降っていないときであれば、わかりやすい場所に置いてあることが多いポリタンクも、昨日はトリッキーな場所に置かれていることも少なくなかった。
 ポリタンクを濡らしたくないお客の気持ちも、少しはわかる。
 晴天の日に比べると視界はイマイチ。それに加えて探しているものがいつもの所にないとあっては、どうしても効率は悪くなってしまうし、見落としだっていくつかはあっただろう。

 自分から灯油を買ってくれるお客は、道路からすぐのところにカーポートや車庫などの屋根がある家が多い。
 雨が強く降っているときはなるべく屋根の下で給油している。もちろん、お客に断ってから。
 相手も給油中に水が入る可能性が少なくなることはわかってくれるのか、今までに断られたことはない。
 ローリー車のタンクからノズルまでの黒いビニールホースは伸縮式。力を入れて引っ張ると数メートルくらいの距離ならば難なく届く。
 ただ、自分が使わせてもらっているローリー車はかなり年季が入っているので、引っ張るときに力は結構、必要になるが。

 昨日の自分の売上げは1,400リットルに届かなかった。年が明けてからは、一番少ない売上げ。
 午前中は結構、雨に濡れた。お客に心配されるほどにずぶ濡れだった時もあったが、自分ではさほど気にはならなかった。
 寒い、辛い、惨めだとかいう負の感情に自分が支配されていないことに気がついた。ある道の駅の食堂で、昼食としてコロッケ定食を食べているときに。

 自分が若かったころ、仕事ではよく雨に濡れた。生花市場や宅配便のドライバーをしていた時に。
 上司やまわりの人たちのほとんどは自分の身体よりも、商品や荷物を大事にするようにと、口にしてきた。
 彼らの言動を頭ではわかっていたが、心の中では理解できないジレンマに陥っていた、若いころの自分がいた。

 そういったことも嫌で、オフィスワーカーに憧れていたのは事実。
 だが、雨に濡れないオフィスで誰にも喜ばれている実感がない仕事をしているよりも、春先の冷たい雨に濡れながら走り回っている自分の方が、今は好きだ。誰かのためになっているという手触りがある仕事の方が。

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今日の写真のモデルはまやさん。