人はひとつのことに対して多くの情報を与えられると混乱するらしい。情報の方向性が真逆であれば尚更だと、何かで読んだ気がする。
今の自分をほんの少しだけ俯瞰できる瞬間が稀にあるが、そんな時にはつくづく思う。人から冷静な判断を奪うのは本当に簡単だと。
ここのところの自分はなかなか客観的になれない。かなり感情的であることに、危うさも覚えているがどうしようもない。
世界が新型コロナウィルスのパンデミックに揺れる中では、自分のように感情的な人が溢れているのではないだろうか。
若いころにはどんな時にでも理性的でいられるような大人になることに憧れていたが、理想からはほど遠いままでオッサンになってしまった。
最近の自分が一番感情的になったのは昨朝。現場オフィスに出勤してすぐのこと。
SIer、お客からシステムの仕事を直接受注し、自分を含めた多くのエンジニアをピンハネしている会社のリーダーとの会話がきっかけだった。
自分がマスクを受け取りにいったら、そのマスクを三日使うことを指示してきたからだ。使い捨てのマスクなのに。
自分ははっきりとした態度を取った。できないと、はっきりと口にした。
少し考えれば誰にでもわかること。構造上、そのように作られていないことくらい。マスクを作っているメーカーに問い合わせるまでもなく。
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物質的に手に入らないものは仕方がないはずだ。
状況をお客に説明して了承をもらう。それが、下請け会社から利益を吸い上げている会社の最低限の義務だと考える自分が間違っているのだろうか。
自分と親分の話は平行線のまま。お互いの感情は高まっていた。
すると、相手が想定外の提案をしてきた。その提案内容とは、自分が在宅勤務をすること。
親分の思ってもいない言葉に、自分は力が抜けてしまった。ここのところの間、会社対会社や自分と彼とのやり取りのことを考えると、どうしようもないくらい。
自分と同じ立場で仕事をしている下請けエンジニアのほとんどが在宅勤務に転じる中、自分だけが仕事の内容を理由に、ずっと危険な状態にさらされてきた。
そんな状況に置かれ続けていたので、自分も半ばやけっぱちになることも少なくない中、なんとかやってきたのに。
今回のトリガーを引いたのが自分だったからなのかもしれないが、より虚しかった。
そんな訳で、今朝から在宅勤務になった自分。
当たり前のように初日から平穏ではなかったのだが、それはまた別の話……。
