昨日の天気予報が雨だったのと、娘との夕方からの約束のために、昨日はスキーを諦めた。今日は夕方の17時から予定があったため、今シーズンのスキーは先週で最後になってしまったと半ば諦めていた。
診療内科で処方されている、安定剤と睡眠薬を飲んで寝たのに、目が覚めると3時過ぎ。時計をみながら、薬の効き目と自分の本能的な欲求にびっくりした。
今日の夕方の予定を考えて諦めるよりも、すぐに決心をした。今日のゴンドラの営業時間は6時から15時まで。今からすぐにでれば、6時過ぎにはチャオ御岳スキーリゾートに着くはずだ。4時間だけ、滑って帰宅しようと。
布団から出ると出発までは早かった。着替えて、スキー道具一式を積み込んで、3時30分過ぎには家をでた。
夜が明けるのが早くなってきているとはいえ、しばらくはヘッドライトを点けて走る必要があるほど、幹線道路までは真っ暗だった。そのせいで、高速に乗る前に寄ったコンビニの照明がいつも以上に明るく感じた。
先週も高速も国道19号線も空いていたが、先週より1時間以上も早いことと、GWが明けたこともあってか今週は更に車は少なかった。
中津川インターで高速を降りるころには世が明けきっていた。国道19号線沿いの桜はすっかり葉桜になっていたが、かわりに霧がときどき前方の視界をぼんやりさせていた。
国道19号を曲がり、御岳の麓を回り込んでいくとしだいに散り始めの桜がちらほら見え始め、開田高原にでると枝垂れ桜ではあるが、満開の桜がまだ楽しめた。
だが、今日の目的はあくまでスキー。ゲレンデを目指していそうな車に会わなかったので、少し不安になったがゲレンデの手前10キロほどでそれらしい車を見つけてほっとした。
ゲレンデが近づくにつれ、少なくなってきているとはいえ残雪を残している御嶽山と、2、3キロメートルになると、道路脇の日影に僅かながら残っている雪を見て、気分も高揚してきた。マスヲが駐車場についたのは6時過ぎ。第1駐車場はまだそれほどの車は止まっておらず、のんびりした雰囲気だった。さすがにこの時期まで滑る雪バカは少ないのかと少し自分を自嘲した。
スキーウエアに着替えて朝一番のゴンドラに乗ったのは6時30分ごろ。しかも、マスヲひとりの貸し切りだった。
一本目を滑りだしてすぐに思った。無理して来て良かったと。昨日の雨のせいとゲレンデキーパーのお陰もあってかこの時期としては、素晴らしいコンディション。
少しバーンが硬いという人もいたが、マスヲにとってはまだゲレンデに人が少ないこともあってか久しぶりに高速ターンを楽しむことも出来て、爽快に滑走できた。
朝2番目のゴンドラでは進行方向と逆に座ったために、乗鞍方面の左手に美しい雲海が広がっていたのが見える。これも春スキーの魅力だろう。
8時を過ぎると次第にゲレンデは緩みはじめた。
一旦、緩みはじめるとゲレンデコンディションの変化のスピードははやい。
山麓のゴンドラの乗車を促す従業員も気がつくとTシャツだった。マスヲもスキーウエアが次第に暑くなってきた。
やはりウインタースポーツシーズンは確実に終わりに近づいているのだ。
当初は10時であがるつもりだったが、この時期に滑れるだけの満足感が高まってきて次第に、もう少し早くあがるつもりになってきた。
6本ほど滑ってゲレンデのベースまで降りてきて、時計を見ると9時をさしていた。
空を見上げると、素晴らしい青空が広がっていたので、もう1本だけ滑ることにした。
ゴンドラ降り場で従業員にいつものように「行ってらっしゃい」と声をかけられて「行ってきます」といつもと同じように返したが、心のなかでは『また、来年!』とつぶやいた。
一応、来週末も営業予定だが滑走できるかはそれまでの天候と当日の天気次第。それを考えると今日強行スケジュールできて、良かったと思っている。
帰りに駐車場に戻ってくると朝1番で閑散としていた第1駐車場は満車となっていた。
自分の車のカギを開けて後ろのトランクスペースでまだまだ十分な残雪を残している乗鞍岳を見ながらスキーブーツを脱いでいると奥の駐車場へ向かう車が数台通り過ぎていく。
彼らもまだ今シーズンの冬を卒業できないのだろう。
[乗鞍岳]
[センターコース]
[イーストコース]