淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

微かなアイデンティティ

 昨夜は2017年の自社忘年会だった。当初、10名参加の予定だったが予約段階で9名になり、当日1人欠席したために、結局参加は8名だった。
 当日欠席した社員は来月だと勘違いしていたらしい。今日改めて忘年会の連絡メールを確認したら、本文中に11月22日と明記してあった。

 欠席した社員は男性で、自分よりも若い。おそらく20代後半だろう。自分が入社したばかりのころの会社の宴席で、次のようなニュアンスのことを彼は言っていた。この業界で給料を上げたければ、淡白さんみたいに何度も転職して会社を渡り歩きながら、自分を高く売り続けるしかないんですよね、と。
 ちなみに今の自分の給料はこの業界で初めて働いた会社を退職したころの給料とほとんど変わらない。

 35歳の給料と45歳の給料がほとんど一緒。今の会社は必ず賞与を出してくれる条件で入社したので、賞与が多い年は年収が多少多くなるが、賞与が少ない年だと10年歳を重ねても年収はほとんど変わっていないことになる。世間で一時期言われた、失われた10年は自分にとってもそう言えるだろう。

 今の会社に転職する前はある上場会社で働いていたが、友人と酒を飲んでいるときにそのころのエピソードを話そうとしていた折に、社名を思い出そうとしたがどうしても思い出せなかった。数日考え続けていたがやはり思い出せない。
 履歴書か職務経歴書の原稿を見ればわかるが、そのような方法で確認すると自分の脳細胞が死んでしまったことを認めることになる。あきらめずにその後も数日考えていたら何とか社名を思い出すことが出来た。

 今の業界に働くようになってから会社への帰属心は年々薄くなっている。最初に勤めた会社こそ、その会社でしかできないようなことを担当したり、会社に自分の机があったので、会社への愛着もそれなりにあった。
 だが、今の会社と転職前の会社には自分の机がない。前の会社は月に1度の自社への帰社日があったが、現在所属している会社には数か月に1度しか帰社しないのだ。しかも最初の現場の数か月しか、同じ会社の人間と働いたこともない。

 そんなせいもあってか今の会社へのアイデンティティを感じることは減っていき、今では残り少なくなっている。昨夜の忘年会でも顔は何となく知っているが、名前を思い出せない技術者がほとんどだった。唯一、自分より年上で昨日も右隣に座ったエンジニアしか顔と名前が一致しなかった。
 忘年会は自分にとっては忘れるための会ではなく、忘れ失い続けているものを思い出す会のはずだ。
 だが、2次会もなく流れ解散になるような宴会では取り戻せたものは少なそうだ。