淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

年賀状あれこれ

 子供のころは年賀状を送るのが好きだった。父親が木版で年賀状を作っているのに憧れて、自分も小学校くらいから真似て挑戦するようになった。
 絵心がないのでデザインセンスもない。そのうえ、不器用なので決めたデザイン通りに木版を作ることも覚束なかった。
 木版の年賀状をいつまで友人に送っていたか覚えていないが、自分の汚い年賀状を見ると正月を感じると言ってくれた友人もいてくれた。

 妻との結婚報告も年賀状で済ませた人が多かった。結婚式や披露宴を行わなかったので、突然届いた新年の挨拶でお互いの友人たちのほとんどが自分と妻が結婚したことを知ったはずだ。

 10年以上前、上場している運送業の会社に勤めていたことがある。その会社の年末はお歳暮の影響もあって一年で一番忙しかった。
 年末のある日、先輩社員たちが自分に住所を聞いてきた。年賀状を送りたいからと。自分は忙しくて出せないからと断った。すると彼らは妻が挨拶したがっていると言って引き下がらなかった。

 お世話になっていた先輩達にそこまで言われたのならば、と思って住所を教えた。こちらもなんとか時間をやりくりして年賀状を送った。
 彼らは結婚している人がかなり多く、また子供がいる人も多かった。お蔭で家族の写真付き年賀状がその年は例年以上に多く届いた。

 翌年にはその会社を辞めていたが、もらった相手に対して全員に年賀状を送った。運送会社に居たときよりも時間があったので、前年よりも丁寧に書いたつもりだった。
 だが、年が明けると自分はあることに驚いた。会社を辞めた途端に、運送会社からの人間からは1枚も年賀状がこなかったからだ。

 もともと家族の写真付き年賀状に嫌悪感を持っていたが、この時の印象がより気持ちを強くさせた。今では家族写真の年賀状は嫌いだと公言しているほどだ。

 一昨年くらいからスキーに対してより深くのめり込みはじめた。雪のある時期は限られているので、年末もより時間を自分のために使いたいこともあって、年賀状を辞めたいと考えるようになってきた。

 だが、辞められない大きな理由がふたつある。ひとつは今の会社の社長が必ず年賀状を送ってくるからだ。社長から年賀状をもらっているのに社員が年賀状を書かないのはさすがに失礼だろう。自分のような横柄と人に言われるような人間であっても。

 もうひとつは自分の友人が郵便局長だからだ。先ほども局長から購入枚数の確認の電話があった。わずかな枚数だがそれでも打診があるならば、協力するのが友人だろう。年賀状の購入費なんて一晩呑みに行く金額に比べれば微々たるものだから。
 でも、書くのは本当に面倒臭いんだよなぁ………。