先日、弟と実家で会ったときに聞かれたことがある。今年はマスクマンにならないのか、と。そのつもりはないと、自分は答えた。
弟がそう聞いたのは、昨年の今頃、現場ではマスクマンに変身していたことを話していたからだ。
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マスクマンになったのは昨年、現場の都合でマスクの着用を強要されたのがきっかけだった。
大きなマスクで口元を隠して視線はパソコンに向ける。誰かに話しかけられたら眼鏡の奥から相手を救うように、視線を送るとそれなりに威圧感があるようで、仕事中に誰かに話しかけられることが極端に減ることに気が付いたのだ。
誰にも話しかけられなければ、当然仕事の効率も上がるし、厄介なことを押し付けられる可能性も減る。
現場で一緒にチームを組んでいたとしても、所詮会社も別なのでお互いに助け合うなんてことは珍しい。仕事を相手に押し付けることはあったとしても。
昨日、今の現場のリーダからある注意を受けた。自分が立てているある音がうるさいと。
子供のころから口数は多い方。システムエンジニアになってからも、今の会社に入るころまでは現場でも無駄口が多く、注意を受けることもままあった。
だが、最近は現場での口数はめっきり少なくなった。おはようございます、失礼します、の二言しか口にしない日も珍しくない。
そんなもの静かに過ごしている自分が言われた理由を聞いてびっくりした。
のど飴を舐めているときの音だった。のど飴が歯に当たる音が気になってしまう人がいると、リーダーは口にした。この業界は神経質な人が多いからとも、言いにくそうに付け加えて。
今までの人生で、自分への指摘でこれほどみみっちいものはなかった。言った相手はどれだけ人間小さいのだろうか。直接相手に口にせず、人を介してしか言えないことも、器が小さい。
その相手が誰だかおよその察しはついているが、席も近いのに直接言う勇気もないのだろうか。呆れもしたが、かなり頭にも来ている。
今の会社にかつて勤めていた元同僚と、先日盛り上がった話題がある。2人の勝手な決めつけだが、同じ思いで一致した。
TMCのプロジェクトに関わっているエンジニアは性格が悪い奴が何故多いのかと。しかも、TMCばかりに関わっている技術者は猶のことたちが悪いと。
去年、マスクマンになったエンドユーザーもTMC。今回と一緒だ。
そろそろ自分もそれなりに好感度を装って仕事をするのも終わりに近づいてきた気がする。
そう、マスクマン・マスヲに変身するときがいよいよ来たのだ。
マスクを着用していれば、飴が歯に当たる音も和らぐだろう。マスクマンになっていれば騒音で訴訟されることもないはずだから。