淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

TCSはTCS

 先ほど、かつての同僚から電話がかかってきた。その同僚は自分より、少し年上の男性だ。かつて、ある上場会社のベンダーで自分と一緒だった。
 彼から電話は、近況の報告と来月になったら呑みに行こうという誘いだった。

 来月から、彼が参加するプロジェクトが変わるそうだ。そのうちの候補のひとつが株式会社トヨタコミュニケーションシステム、通称TCSらしい。
 自分はその電話でやんわりと、TCSは選ばない方がいいのではないかと話したのだが、彼には上手く伝わらなかったようで残念だ。

 TCSは今年の3月に、株式会社トヨタデジタルクルーズと株式会社トヨタケーラムと統合した。統合後の社名は株式会社トヨタコミュニケーションシステムなので、実質はTCSによる吸収合併だろう。

 実はTCSに勤務している、20年来の友人がいる。友人の結婚式に出席させてもらったほどなので、それなりに近しい間柄だと自分は思っている。
 合併したことを噂に聞いたので気になって友人にメールをすると、次のような返事が返ってきた。ホント、つぶれやぁいいのにと思います、と。

 システムエンジニアとして、今まで参加してきたプロジェクトの中で一番酷かった現場は、とよく聞かれる。同業者で仲良くなった人たちに。
 自分の中ではTCSでのあるシステム開発のプロジェクトだった。しかも、断トツで。10年以上経ったので、そろそろ時効にしても良いと思って、当時のことを書き残すことを決めた。
 このプロジェクトは自分が知る限り、何度かの仕切り直しをした。プロジェクトが完遂される前に自分は離任したが、それまでに数十億のお金を無駄に使っていたことが内部の資料から伺えた。

 プロジェクト全体に問題が多数あったのは間違いない。だが、自分が考える一番の問題は、プロジェクトの中心を担っていた株式会社トヨタコミュニケーションシステムだと考えている。
 この会社のお客はトヨタ自動車。100%の株主でもある。親会社ともいえる、トヨタ自動車に対してNOと言える社風がない。例え間違っていたことでも。
 トヨタ自動車の社員に対して、首を横に振った人を自分は見たことがなかった。TCSの社員は故事通り、馬鹿だと自分は考えている。

 このプロジェクトに参加しているときのエピソードをふたつ記しておきたい。
 ひとつは、プロジェクト内のアシスタントの女性が、プロジェクトに参加している外注メンバーの単価表をメーリングリストに誤送信してしまった。
 メンバーはしばらくこの話題で持ち切りだった。TCSによる評価額が自分自身だけでなく、まわりのエンジニアの契約単価がわかってしまったからだ。

 もうひとつは、プロパー判別リストの存在だ。TCSも多数の外注エンジニアが在籍していたが、トヨタ自動車側にも外注エンジニアが参加していた。
 トヨタ自動車側の誰がプロパー社員で誰が外注であるかのリストが存在し、TCS社内で情報を共有していたのだ。
 そのプロジェクト内でどれほど、トヨタ自動車の社員に対して気を使っているかがわかるエピソードだ。

 もっと生々しくて馬鹿馬鹿しい話題もあるのだが、書き記すと問題になるかもしれないので、これくらいで筆を置こうと思う。
 自分が友人に伝えたかったことは、どれほどTCSが問題のある会社なのか、しかもおそらく当時と変わっていないのではないかと、考えていることだけだったのだが。
 相手への自分の信用か、コミュニケーション能力のどちらかが足りないのだろう。