昨夜の22時から放送された『高嶺の花』の3話は、初回からの中で一番楽しめた。ついさっき、録画で見返したほどだ。
石原さとみが演じる月島ももの元フィアンセのデキ婚が、ハニートラップだったということがわかった今話。しかも、それをしかけたのが、月島ももの父親だったということがわかった。
このドラマの脚本を手がけた野島伸司が、石原さとみと芳根京子の姉妹をどうして華道家の家系にしたのかが気になっていたが、先日ふと思ったことがある。
ひょっとしたら、日馬富士暴行問題での公益財団法人日本相撲協会評議員会議長の対応に、疑問を持ったからではないだろうか。評議員会議長の池坊保子についての印象が、脚本家の中で強く残ったというのが自分の仮説だ。
話はそれたが、3話はシーンや会話にほとんど無駄がなかった。かなりレベルが高いと思ったのだが、残念なところもある。
ひとつ目はカメラワーク。最近は邦画を鑑賞することが多い。それだけ、自分に対して訴求してくるものがあるからだ。そのうちのひとつはカメラワーク。
洋画と違った繊細なカメラワークが、作品をより高いレベルに引き上げている気がする。
このドラマの初回のはじまりのカメラワークには興味を持ったが、それ以外は平凡なものが多いのが残念だ。
ふたつ目は、千葉雄大の演技。3話ではより存在感をましている。主役の石原さとみとのシーンは何とか我慢できたが、月島ななを演じる芳根京子とのシーンは彼女の演技の引き立て役にもなっていない。
おまけに、月島ななの母親を演じる戸田菜穂とのベッドシーンでは失笑してしまったほどだ。
3話のキーアイテムとして使われたのはクマのぬいぐるみ。このぬいぐるみが比喩として実に効いている。特に、エンドロールが流れるような後半に、だ。
エンドロールが流れるなか、峯田和伸演じる風間直人にキスをするシーンが素晴らしかった。
石原さとみが大事なものを触るかのように優しく指で触れながら、泣いている風間直人を慰めるような口づけをするのだ。
そして、背中に手をまわしてハグをするところで、3話は終わる。
自分は2回ともこのシーンで泣いてしまった。オッサンのせいか涙腺が緩すぎるのだろうか。
さて、来週の4話はどんな展開になるのだろう。きょんちゃんこと芳根京子と石原さとみの演技力が3話でもますます際立っていた。来週も彼女たちの演技は安心して楽しめるはずだ。
そして、野島伸司の作り出すストーリーも。