淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

辣トンちゃん

 新しい店を見つけると、気になる自分。それが飲食店であれば尚更だ。不味くてもいいから、早めに来店してその店の味を確かめたくなる。

 先日、あるトンちゃん屋を見つけた。車を運転している時に。間口はそれほど大きくないので、見過ごしてしまいそうなほどの店だ。
 気になったのでインターネットで情報を集めようとしたが、それらしい店のことは何もわからなかった。気になっていることがわからないと、より興味がわくのは人の性だろう。

 昨夜、小学校からの友人を誘ってその店を訪れた。自宅からその店の距離は、歩きや自転車では結構かかるが車だと自宅から10分ほど。
 誘った友人は自分のまわりでは貴重な下戸なので、安心してハンドルを任せられるが、行きは自分が運転した。

 自宅を出たのは20時前。まだ帰宅ラッシュは収まっておらす、車道に車は多かった。おかげで曲がりたい交差点で曲がることが出来ずに、ちょっと回り道をする羽目になった。
 その際に友人は助手席で軽口を叩いていたが、いつものことだ。

 情報がほとんどないので、定休日の可能性も気にしながら店の前に到着すると、店内の照明はついていた。ただ、店の駐車場がわからなかったので、助手席から友人が降りて聞きにいってくれた。
 友人はすぐに戻ってきたが、駐車場は無いとのことだった。駅から歩くには、ちょっとあるので自分は驚いた。しいて言うならば、市バスの終着のバス停が近いが名古屋市の果てにあるバス停まで、バスで来る者好きがそんなに多いとも思えない。
 仕方が無いので、コインパーキングに入庫して車のキーを友人に渡した。

 入店すると、店内は閑散としていた。自分たち以外は二人組の客がいるだけだった。テーブルが8卓くらいはあったように思う。
 二人組の客は自分たちと同じくらいの年齢で、主婦のように見えた。ビールジョッキを片手に会話が盛り上がっていた。

 店は自分たちで焼きながら、熱々の料理を楽しむようなスタイルだった。テーブルの中央にある鉄板で。
 自分たちは味噌トンちゃんを中心に、焼き物を注文した。トンちゃんに期待していたが、出てきたものはイマイチだった。色は及第点だったが、臭いが若干気になった。

 鉄板に油を引き、トンちゃんを中心に肉類から焼き始めた。肉にある程度火が通ったら、コンニャクと豆腐を投入して、食べやすい大きさにコテで切って肉と混ぜ合わせたとところで、味噌だれをかけた。
 自分は両手でコテを操っていたために、友人にあることを頼んだ。買ったままの小瓶に入った七味と山椒を振りかけて欲しいと。

 その時、事件は起こった。山椒を振りかける時に間違えて中蓋を取ったまま、友人は鉄板に振りかけたのだ。
 八丁味噌のタレの色に染まっていた鉄板料理が、黒に染まってしまった。手早く混ぜ合わせても全体的に黒っぽいのは明らかだ。
 焼き上がり食べ始めると、最初の一口二口は我慢できる痺れだったが、食べ進めるにつれて、ビールなしでは食べるのが辛くなってきた。
 おかげでその後に何を食べても、正確な味がわからなかった。
 貴重な辣トンちゃんを味わえたが、今日の開店準備の際に、空に近くなった山椒の小瓶を見た店員は何を思うのだろう?