3月まで勤めていた会社から、退職金の報告がようやく届いた。振込日は今月の28日、金額は94,875円。
ほぼ5年勤務した自分のあるひとつの評価が退職金だとすると、虚しいとしかいいようがない。
人によってはたかが5年と思うかもしれないが、5年という月日は決して短くない。 ほぼ同時期に、実弟も会社を辞めた。勤めた期間も自分とほぼ同じ5年だったが、金額は二桁以上も違った。
自分と違って高学歴という面はあるにせよ、あまりにもの乖離に納得いかない。自分を人と比べないような、出来た人間ではないからだ。
退職金のことを友人に愚痴ると、そのうちの何人かは同じようなことを口にした。仕方がない、と。
その言葉を聞いて、さらに自分は虚しくなった。当たり前の話だが、付き合いの古い友人であってもほとんどのことは所詮他人事。
自分だって逆の立場だったら、同じようなことを友人に対して口にしたかもしれない。
コンプライアンス的に退職金を支払うことが義務づけられていないことは、知っている。あれば、ラッキーくらいに考えておけばよかったのかもしれないが、自分の入社時の経緯からしたら、どうしても納得いかない。
明細が17日に届くらしいので、その内容を見て会社に対しての対応を考えるつもりだ。
どんな相手でも、どんなことであっても納得がいかなければ行動するべきだと、最近は考えているからだ。
かつて、自分を雇用していた法人に対して、民事裁判で争ったこともあるが、そのひとつの理由は少しでも世の中を変えたいと考えているからだ。自分の力は、たかがしれているだろうが、それでも何もしないよりはマシだから。
最近、よく考える。こんな世の中にしてしまって、下の世代の人たちに申し訳ない、と。もちろん、その中には自分の娘も含まれる。
奨学金の問題や、人工比率のアンバランスなどによる若年者の不公平感を、彼らから何度も聞いたことがあることも、一因になっているかもしれないが、自分が子供を授からなかったら、そんな風に考えなかったかもしれない。
少し話は大きくなるが、従業員に対して不誠実な経営者は、許されるべきではない。同じように自分のことしか考えていない、政治家たちも。
自分がおかしいと思うことは、1人1人が行動しなければ何も変わらないばかりか、もっと酷い方向に世の中が流れていってしまう。
たかが、アラフィフ男性1人の退職金のことだが、そのことから、今の世の中のことが透けて見えるのではないだろうか。