淡白マスヲのたんぱく宣言 

アラフィフのオッサンの雑記。夜遊び、芸能ネタ、日常的なことから社会的なことまでを、広く浅く、そして薄い視点で書くので気楽に読んでください。

屋根

 亡くなった父親は1943年の戦中生まれ。ちなみに母は戦後に生まれた。1948年に誕生したので団塊の世代
 子供のころは父方の祖父母と同居していた。
 思春期にさしかかるころから、祖父とはあまり話さなくなったが祖母とは割と会話があった。

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散歩中の裏路地にてワンショット。
自分が成長するにつれてお互いに憎まれ口を叩くようにはなったが。

 子供のころ、祖母は何度か戦争のことを話してくれた。祖父が召集されたことや、一家が住んでいた家が空襲で焼けてしまったことなどを。
 亡くなった父は男の割にはおしゃべりで口数は多かったが、戦争で惨めな思いをしたことをほとんど聞いたことがない。
 リベラルを通り超して、極端な反戦主義者だった父。

 今日の仕事中にトイレでほっとしていると、目が天井に向かっていた。何か特別な気配があったわけではない、ただなんとなくだと思う。
 変哲もなく代わり映えもしない天井を眺めていると、ある日の父との会話を思い出した。
 父が家族で今、実家がある場所に引っ越してきてくれたころのエピソードを。

 今の実家は20年以上前に、立て直された。目の前に走る道路が拡張される予定だったので、行政から立ち退きを要請されたから。
 立て直される前の実家には母屋とはなれがあったが、父たちが引っ越して来た時には、母屋の一部しかなかったようだ。

 それどころか、屋根もなかったらしいのだ。
 夕食時に時間をかけてお酒を呑み、ふざけたことばかりを言っていた父。
 そんな父が口にしたので、今でも冗談かどうかはわからない。
 ただ、その時の表情と話しぶりがいつになくシリアスだったのを今でも覚えている。

 野菜が嫌いでとにかく肉が好きだった父。同じように戦中生まれの父を持った友人と語ったら、その友人の父も野菜嫌いで肉が好きだったらしい。
 戦中生まれで食べるものに苦労すると、とかく肉に惹かれてしまうのかもしれない。

 国内外問わず、新型コロナウィルスの感染が戦争に例えられている。
 平時でないとは思うけれど、比喩として戦争を用いるのは違うような気がする。
 戦争を知らない自分が言っても、説得力に欠けるかもしれないが。

 戦争体験者から見ると、今の状況はどう写っているのだろう? もちろん、戦争体験者でも様々だろうが。
 戦地に赴いた人。国内でも都市で酷い空爆に晒された人も、地方に住んで時代の洗礼だけで済んだ人もいるだろう。
 そういう意味では、このパンデミックが終わった時に感じることは、人によってかなりの差が出てくるのかもしれない。
 居住している場所や仕事などの影響はかなりあるのだろうから。

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今日の写真のモデルはまやさん。