自宅から200メートル以内にコンビニが二軒ある。その距離を知ったのはごく最近。スマホの地図アプリが教えてくれたのだ。
どちらへ行くにも信号を渡らなければならないこともあって、感覚的にはもっと遠く感じていた。
一件のコンビニよりも手前にマクドナルドもある。
一節によると、住んでいる場所から200メートル以内にコンビニとファーストフード店があると肥満率が上がりやすいそうだ。
食い意地は張っているが、それ以上に面倒くさがりのために、衝動的に何か食べるものを買いに行った記憶はあまり残っていないが。 そもそも自分が産まれ育った実家から歩いて行ける範囲にはコンビニもファーストフードの店はなかった。すぐに食べることができるものを売っていた店は小さな街のパン屋さんくらいだったが、今はもうその店はない。いつ閉店したのかも記憶は曖昧だ。
お菓子も置いていたので、子供のころは小銭を握りしめてよく訪れたのに。一人だけの時もあれば、友人や弟と一緒の時も多かった。
近所のパン屋さんは店内で煙草も販売していたし、店の前に飲料と一緒に煙草の自販機を並べていた。
亡くなった父は喫煙者だったので、その店で煙草をよく買っていたし、自分が代わりにお使いに行ったことも何度もあった。
実家からその店までは歩いても5分はかからなかったと思う。子供の時に全力で走れば1分ちょっと。距離にしたら100メートルくらいではないか。
日曜日の朝などには、父がパジャマで煙草を買いに行ったことを覚えているし、そのことに違和感を持たずに自分は育った。
妻とまだ一緒に住んでいたころのこと。
自分がパジャマのまま、門の外に出たことがあった。おそらくゴミを捨てることが理由だった気がする。
その状況を見た妻は一気に不機嫌になった。パジャマを着たままで家の外に出ることが、彼女は許せなかったらしい。
ほめられる行動ではないが、強く非難されるほどではないと自分は思っていたのだが。ゴミ出しする場所は門の外でも道の手前なので、ギリギリの自宅の敷地内だからだ。
その後、妻の前ではパジャマのままで家の外にでることは控えていたように思うが、独り暮らしになってからはまた元に戻っている。
同居していた祖母は非常に開けっ広げな人だった。
夏の湯上がり時には下着を引っかけたまま、家の前の通りでよく立ちつくしていた。風に当たりながら、汗が引くのを待っていたのだろう。
暗くなってからではあったが、たまには見知らぬ誰かの目にも留まったはず。
いかにも昭和らしい思い出だ。