六月に入って五日。昨日くらいから日中は暑さを感じることが多くなってきた。
在宅で現在、仕事をしているのは二階の南西の部屋。その部屋は午後からは自宅で一番暑くなる。エアコンなしで仕事をするのには厳しくなってきたので、再び一階の和室に仕事をする場所を移すことを考え始めた。
二階のエアコンは調子が悪いし、一階の部屋であれば窓を開けて風を通せば、エアコンを使わなくても充分に過ごすことができる。 自分にとって夏は一番嫌いな季節だった。他人に迷惑がかからず、環境にも問題がないのであれば無くなってしまっても構わないと思っていたほど。
暑いのも苦手だが、エアコンの効いた部屋で過ごすのも得意ではない。
50年ほど生きてきた自分にとって、嫌な思い出のほとんどは夏に起きている。
本当は違うのかもしれないが、夏に起きた嫌な出来事をただ印象強く覚えているだけなのかもしれないが。
数年前に半年ほどの大阪出張が決まったのは八月。自分が大阪で仕事をしている間に妻は娘を連れて実家に帰ってしまった。
二十歳の夏には片思いしていた女子高生から雑に扱われた。弄ばれた訳でも、ましてやふられた訳でもない。
勝手に自分で傷ついただけなのに、その時に負った心の傷を二十代の前半は気にして生きてきた。
今ではどこにでもある話だとその思い出を笑い飛ばすこともできるのだが、そのころはまだ自分に対しては必死だったのだろう、きっと。
まるで運命づけられているかのように夏には嫌なことが多かったし、この先もずっとそうなるだろうと思っていた。昨夏までは。
だが、自分のある気まぐれな行動が、それまでの流れを変えた気がする。奈良と大阪へのたった二日の旅が。
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ある資格の試験を奈良まで受験に行くので、帰りに寄り道することを考えたことがきっかけ。
人生はあの時に何かをしていれば、していなければの繰り返し。
もし、去年の八月に自身の思いつきに素直に従っていなければ、今とはかなり違った自分だったはずだ。
梅雨入り前の少し蒸し暑い金曜日の夜。本当はビールを呑みたいところだが、明日のために我慢した。
お酒を我慢できるほど、休日にしたいとはっきりと言えることを見つけることができた自分は、本当にラッキーだと思う。