今日の日中は曇り。風は爽やかだとは言い難かったが、この時期としては外で何かをするのには楽な天候だった。
蒸し暑かった昨日の夜にビールを我慢した理由は今日、ポートレートを撮るため。
名古屋市内にある紫陽花の花で有名な公園で開催された撮影会に参加した。 ポートレートを再開してからは個撮でしか撮っていないし、条件が許す限りは個撮でポートレートを撮り続けたい。
囲みや順撮りでの撮影になるとシャッターを切る場所や条件などの制約が厳しくなる。自分がこうしたいという思いがあっても実行できないのが気になってしまうからだ。
また、個撮で撮影した写真の善し悪しは全て自分のせいだと納得できる。
ロケ地やモデルの選択からほとんどのことを自分で決めることができるからだ。
ちなみに今日の撮影については珍しく準備していた。
木曜日の仕事後に偵察に来ていた。
紫陽花の咲き具合、シャッターを切る場所などを想定して園内を一回りした。
夏が近づく夕方の公園をカメラ片手に1時間ほど歩くと、なんとなく気分がよくなった。
道が空いていれば自宅からは15分ほどしかかからない距離にも関わらず、意外にも素敵な場所だったからなのかもしれない。
これまでに、自分が訪れたことがなかったのは何故だったのだろう?
お手洗いはもちろんのこと、池があり、それを囲むような散策路が設けられている。野球場があるくらいなので、それなりにちゃんとした公園なのに。
受付で撮影会が始まるのを待っていると、他の参加者二人が運営者と話し始めた。
その二人は男性で自分と同じくらいの年齢、運営者も二人連れの男性で、20代くらいではなかっただろうか。
事務的な会話だったのではないかと思っていたが、二人の参加者は次第に熱くなりかけていた。
一方、運営側の二人は困惑しているように見えた。何を言われているかがわからないような表情を浮かべていたのが、自分の目に入ったので仕方がない。
行儀は良くないのかもしれないが、彼らの会話に耳を傾けてみると、会話が噛み合っていない原因に自分は気がついた。
参加者二人はこの撮影会のスタイルが個撮だということを理解していなかった。
順撮りか囲み撮影の形式だと勘違いしていて、彼らが選んだモデルを何人で撮影するかを運営者に質問していたのだ。
運営側の二人は当たり前過ぎることを質問されたので、質問してきた二人の意図が理解できずにいたようだった。
勘違いしていた二人に、横から自分はさりげなく説明すると、驚きながらも納得したようだ。
おそらく、彼ら二人のポートレート歴は自分よりも長いはず。地元の名古屋でばかり撮影しているのか、個撮で撮ったことがなかったようだ。
好きであるものくらいは固定観念に縛られずにいたいもの。他人から見たら趣味においてさえ、自分も変なこだわりばかりを持っているのかもしれないのだから、他人事ではないかもしれないが。